中国がひそかに一部半導体関連品目を報復関税対象から除外していることが判明

いわゆる「トランプ関税」によってアメリカと中国はお互いに関税をかけあう報復合戦になっていて、アメリカでは中国からの輸入品に145%、中国ではアメリカからの輸入品に125%の関税がかかっています。しかし、中国はひそかにメモリチップを含む8つの関税コード品目を対象から除外していることが明らかになりました。
Some U.S.-made semiconductors quietly exempted from China tariffs - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/2025/04/25/china-tariffs-semiconductors/
China said to waive retaliatory tariffs on some US chip imports in sign of trade war thaw | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/tech-war/article/3307881/china-said-waive-retaliatory-tariffs-some-us-chip-imports-sign-trade-war-thaw
China reportedly waives tariffs on some US chip imports — duties paid are eligible for refunds | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/china-reportedly-waives-tariffs-on-some-us-chip-imports-duties-paid-are-eligible-for-refunds
アメリカのトランプ政権は2025年4月、相互関税の導入を発表。その後、報復措置を執った中国への追加関税をトータルで125%に引き上げました。中国がさらなる対抗措置として関税を125%に引き上げると、アメリカは145%へと関税を引き上げています。
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ただ、関税措置はアメリカ企業にとっても厳しいもので、電子機器の関連品目は一時的に除外対象となりました。
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一方、中国側も半導体については「どこで材料が製造されたか」を対象に変更。TSMCなどの台湾企業に製造を委託するAMD、NVIDIA、Qualcomm、Intelなどの製品は関税対象外となっています。
中国が半導体の関税ルールを「どこで売られたかではなくどこで材料が製造されたか」に変更、台湾企業に製造を任せるアメリカのAMDやNVIDIA製品は125%の関税を免れることに - GIGAZINE

香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によれば、こうした措置に加えて、中国政府はメモリチップを含む8つの集積回路に関連する関税コードについて、報復関税の課税対象から除外しているとのこと。
ただし、これは当局が正式に発表したものではなく、2025年4月10日(木)から24日(木)までの間に該当する関税がかかる製品を輸入した中国企業に対して、税関当局が払い戻し対象になる旨を通知したことで明らかになったもの。
税関当局はSCMPからの問い合わせに応じなかったとのこと。また、中国半導体産業協会もコメント要請に対して応じなかったそうです。
なお、この一件は中国のビジネス誌・財経が第一報を出したのですが、財経は当該記事とSNS・WeChatへの投稿を削除しています。削除の理由は明らかになっていません。
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