サイエンス

大人も子どもと同じように「遊び心」がストレスを和らげ幸福感を高めるという指摘


大人になるにつれてふざけたり空想にふけったりする時間は減り、真面目さや忙しさが前面に出がちです。しかし、遊び心は子どもだけのものではなく、大人にとってもストレスや幸福感に関わる重要な要素だとする指摘が出ています。

Play reduces stress and lifts wellbeing – and adults benefit as much as children do
https://theconversation.com/play-reduces-stress-and-lifts-wellbeing-and-adults-benefit-as-much-as-children-do-264767

オークランド工科大学で人口健康学の教授を務めるスコット・ダンカン氏と、オークランド大学で健康科学の教授を務めるメロディ・スミス氏は、大人の遊びは子どもの遊びとは異なる形を取りうると述べています。


「おもちゃで遊ぶ」「ゲームをする」といった分かりやすい行為だけを「遊び」とするのではなく、日常のさまざまな体験にも遊びは現れうるものだとダンカン氏らは整理しており、運動・音楽・ユーモア・ストーリーテリング・試行錯誤・問題解決のような行為でも義務や成果からいったん距離を取り、純粋に楽しむ姿勢で向き合えば遊びになると説明しています。

ダンカン氏らは、重要なのは何をするかよりも「どういう気持ちで活動に関わるか」だとしています。「これをやったらどうなるんだろう」「こうしたら面白そう」といった好奇心や、相手の冗談に合わせたり思いつきに付き合ってみたりといった心のゆるさ(開放性)、「こういう成果を出す」「これを完成させる」というように結果を固定しない姿勢が遊びの核になるとのこと。

つまり、目標達成や評価を前提にせず関わることで、同じ行為でも「遊び」に変わりうるというわけです。大人の場合、遊びは趣味や探索の時間、仕事や義務の外側にある小さな実験のような場面に織り込まれやすいとダンカン氏らは述べています。


遊びがもたらす価値として、ダンカン氏らは「心のリセットの場」になることを挙げています。遊びによって日頃感じている圧力や成果からいったん離れ、肩の力を抜ける時間になるというわけです。遊びで得られる効果は気分転換だけではなく、ストレスの調整や生活の質の維持にもつながるとしています。

さらに、遊び心の効果は個人にとどまらないとダンカン氏らは言います。社会的な場面で遊び心をもって人と関わることによって、集団の中にポジティブな気分や安心感を分かち合える下地が蓄積されるとのこと。ダンカン氏らはこうした積み重ねが互いに支え合いながら困難へ対処する土台になるとしています。

過去に行われた研究では、遊び心のある大人ほど対人場面で感情を認識し扱う力が強い傾向があると報告されており、別の研究でも、遊び心が他者との共感的で相互的なやり取りや人とのつながり、コミュニティーへの帰属意識と結び付く可能性が示されているとダンカン氏らは説明しています。


ダンカン氏らは「遊びには年齢の境界をまたぐ独特な力がある」とも述べています。大人と子どもが一緒に遊ぶ場面では、たとえ血縁関係がなくても年齢や役割、立場などの違いが薄れ、同じ楽しい気分を一緒に味わいながら互いの反応に合わせてやり取りが続く状態が前面に出やすいとのこと。世代を超えて遊ぶことは互いの関係性を強め、幸福感を支え、年齢にもとづく固定観念を和らげる可能性があるとダンカン氏らは指摘しています。

遊び心を支えるのは本人の意識だけではなく日々過ごす空間でもあるとダンカン氏らは言います。都市設計に関する研究では大人にとって効果的な遊びの場は「遊び場」として目立たせる形ではなく、日常の風景の中に遊びのきっかけを織り込む形だとされているとのこと。


遊びが「恥ずかしいこと」「ぜいたくなこと」などと思われれば大人の遊び心はすぐに消える一方で、「遊び心のある振る舞いが目立たず自然に見える状況だと、大人が遊びに参加するハードルが下がる」とダンカン氏らは述べています。こうした点から、遊びやすさを左右するのは場所のつくりだけではなく周囲の空気でもあるとダンカン氏らは主張しています。

「遊びは子ども時代のものとして扱われ、大人の生活から切り離されてきた」とダンカン氏らは述べています。しかし、研究から得られた知見は、遊び心が成人期以降も重要であり続けることを示しているとのこと。遊びを大人の生活の正当な一部として捉え直すことで、生涯にわたる幸福感の捉え方そのものが広がりうるとしています。

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in サイエンス, Posted by log1b_ok

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