現生人類固有の遺伝子はわずか7%だけという研究結果
さまざまな進化を経て誕生した人類は、進化の過程で現生人類であるホモ・サピエンス・サピエンスのほかにもネアンデルタール人やデニソワ人などの旧人類が誕生しています。ホモ・サピエンス・サピエンスは遺伝子の多くが旧人類と共通しており、固有の遺伝子はわずか1.5~7%しか持っていないことが研究により明らかになりました。
An ancestral recombination graph of human, Neanderthal, and Denisovan genomes | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/7/29/eabc0776
Just 7% of our DNA is unique to modern humans, study shows
https://phys.org/news/2021-07-dna-unique-modern-humans.html
Only a tiny fraction of our DNA is uniquely human | Science News
https://www.sciencenews.org/article/only-a-tiny-fraction-of-our-dna-is-uniquely-human
研究を主導したカリフォルニア大学のネイサン・シェーファー氏は、デニソワ人1人、ネアンデルタール人2人、およびホモ・サピエンス・サピエンス279人分のヒトゲノムを分析し、旧人類のDNAがどの程度現生人類に受け継がれたのかを調査しました。
調査の結果、ホモ・サピエンス・サピエンスのうち、アフリカ人はネアンデルタール人と0.096~0.46%の共通する遺伝子を持ち、アフリカ以外の人々はネアンデルタール人と約0.73%~1.3%が共通していたとのこと。
さらにシェーファー氏によると、ホモ・サピエンス・サピエンスはネアンデルタール人やデニソワ人といった旧人類から遺伝子を受け継いでいるとのことで、算定の結果、ホモ・サピエンス・サピエンスに固有の遺伝子はわずか1.5~7%であったとのこと。
シェーファー氏は「ホモ・サピエンス・サピエンスはネアンデルタール人やデニソワ人と交配し、遺伝子の混合が発生した」「調査の結果、ホモ・サピエンス・サピエンスは60万年前と20万年前の進化で固有の遺伝子を形成した可能性が高い」と述べました。
なお、過去には古代の人類がどのような交配を行っていたのか、シミュレーションによる実験が行われています。
古代の人類がどのような交配を行っていたかがシミュレーションから明らかになる - GIGAZINE
・関連記事
「絶滅した2種類の未知の人類」の痕跡が現代に生きるヒトのDNAに存在している - GIGAZINE
ネアンデルタールと現生人類は交配していた、遺伝子研究で明らかに - GIGAZINE
ネアンデルタール人の脳の発達は現代人と違う道筋をたどっていることが判明 - GIGAZINE
ネアンデルタール人は人間に絶滅させられたのではなく「勝手に絶滅した」という主張 - GIGAZINE
人類が6万年前にネアンデルタール人から受け継いだDNAが「新型コロナウイルス感染症の重症化」と関連しているという可能性 - GIGAZINE
・関連コンテンツ