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香港のデータ保護法が「社員個人の起訴につながる恐れがある」としてGoogle・楽天などの連合がサービス停止を示唆


メンバーにGoogle・Apple・Facebook・楽天などを含むアジアインターネット連合(AIC)が、香港で提案されたデータ保護法の改正案に対し懸念を表明しました。「オンライン上の個人につながりかねない情報の迅速な削除を求める」というデータ保護法に企業が準拠しない場合、社員個人が起訴される可能性があり、AICは「これを回避する唯一の方法は香港でのサービス提供を控えることだ」と主張しています。

Facebook, Twitter, Google Threaten to Quit Hong Kong Over Proposed Data Laws - WSJ
https://www.wsj.com/articles/facebook-twitter-google-warn-planned-hong-kong-tech-law-could-drive-them-out-11625483036

Facebook, Google and other tech giants could stop offering services in Hong Kong if anti-doxxing law goes ahead in proposed form, internet coalition warns | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/hong-kong/law-and-crime/article/3139926/facebook-google-and-other-tech-giants-could-stop

2021年5月、香港政府が「2019年から発生した民主化デモ時に流行した『他人の晒(さら)し上げ行為』に対処する必要がある」として、データ保護法の改正案を提案しました。この法律は「公の場で撮影した他人の画像やその他の個人情報を、脅迫・嫌がらせ・心理的危害を加えることを目的として晒し続けた場合、最大100万香港ドル(約1400万円)の罰金刑および最大5年の懲役刑を課す」という内容です。また、改正案が成立するとSNSなどを運営する企業は削除要求への迅速な対応が必要になります。


しかし、AICは「晒しの定義など、法律には曖昧な表現がある」と指摘。政府当局に対し懸念を示した書簡(PDFファイル)を送信しました。AICは書簡の中で「改正案は個人の自由な表現を取り締まり、オンラインで情報を共有するだけの行為が犯罪となる可能性がある」と述べたほか、「審査を行わずに投稿の削除を続けると表現の自由を侵す危険性がある」「インターネット企業の現地社員個人が犯罪捜査と起訴の危険にさらされる可能性もある」とも述べ、「テクノロジー企業に対するこれらの制裁を回避する唯一の方法は、香港への投資とサービスの提供を控えることだ」と警告しました。

FacebookやGoogleなどは香港に100人近くの社員を置いているとアナリストにより推定されており、AICは個人に不必要な責任を負わせることを回避しようと試みています。また、AICはプライバシーの重要性を認めつつも「表現の自由を制限しかねないあらゆる防止策は比例原則に基づいて構築されなければならない」と述べ、法律の定義をより明確にすることを提案し、議論のためのビデオ会議を要求しました。


香港当局の広報担当者は「書簡を受け取った」と認め、「改正案は言論の自由とは関係がなく、香港への外国企業の展開に何らかの影響を与える可能性があるという懸念には強く反論する」と述べました。香港に拠点を置く法律事務所の責任者であるポール・ハスウェル氏は「改正案は立法評議会に提出され、会期末までに承認される予定だ」と述べました。

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in Posted by log1p_kr

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