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「Googleがユーザーの個人情報を収集するためにわざと誤解を招く方法でユーザーに通知した」と国家機関が提訴


Googleはさまざまな方法でユーザーの個人情報を収集し、広告の表示やサービスの改善などに役立てています。オーストラリア財務省の下部機関であるオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が2020年7月27日、「Googleがユーザーの個人情報を収集する範囲を拡大するため、ユーザーの誤解を招く方法で同意を得た」として、オーストラリア連邦裁判所に提訴したことを発表しました。


Correction: ACCC alleges Google misled consumers about expanded use of personal data | ACCC
https://www.accc.gov.au/media-release/correction-accc-alleges-google-misled-consumers-about-expanded-use-of-personal-data-0

Australia sues Google over data collection practices that merged DoubleClick data to create single user profiles • The Register
https://www.theregister.com/2020/07/27/australia_sues_google/

ACCC takes second swing at Google for allegedly misleading customers - Cloud - Software - Storage - iTnews
https://www.itnews.com.au/news/accc-takes-second-swing-at-google-for-allegedly-misleading-customers-550880


ACCCのRod Sims議長はGoogleを提訴した理由について、「私たちがこの手続きを行ったのは、Googleと関係のないウェブサイト上でのアクティビティも含めたユーザーの個人情報をGoogleがどのように扱うかについて、Googleがオーストラリアの消費者に対して誤解させたと考えているからです」とコメントしています。

Googleが個人情報を収集していることは以前から周知の事実でしたが、ACCCはGoogleが自社のウェブサイトなどで収集したユーザー情報と、インターネット広告配信インフラのダブルクリックを通じて入手した個人情報を統合した動きを問題視しているとのこと。ダブルクリックはGoogleが2008年に買収した広告配信インフラですが、買収当初はダブルクリックとGoogleの情報は個別に保存され、ダブルクリックを通じて得られた情報はGoogleに保存された個人情報とリンクされていませんでした。

プライバシーポリシーにも「ダブルクリックのCookie情報と個人が識別可能な情報を統合することは、ユーザーのオプトインがない限り行いません」と明記されており、同時に「私たちはこのプライバシーポリシーに記されているあなたの権利を、あなたの明示的な同意なしに低下させることはありません」と記されていました。


2016年6月以降、Googleはユーザーに対して「Googleアカウントの新機能」というポップアップを送信しました。このポップアップには「あなたのアカウントにいくつかのオプション機能を導入しました。これにより、あなたはGoogleが収集するデータとその使用方法をより詳細に制御できると同時に、Googleがより関連性の高い広告を表示できるようになります」と記され、変更についての同意をユーザーに求めたとのこと。

しかし、これと同時にGoogleは「オプトインがない限りダブルクリックの情報とGoogleの情報を統合しない」というユーザーポリシーを変更していました。新たなポリシーでは、「GoogleのサービスやGoogleが配信する広告を改善するため、あなたのアカウント設定に応じて、他のウェブサイトやアプリでのアクティビティが個人情報と関連付けられる可能性があります」と変更されていました。

このプライバシーポリシーの変更により、ユーザーがポップアップの通知について「同意する」をクリックした場合、Google以外のウェブサイトやアプリ上でのアクティビティがGoogleアカウントなどの情報と統合されうるようになったとのこと。ACCCは、プライバシーポリシーの変更と内容を明示することなく同意を求めるやり口がユーザーの誤解を招くものだったとして、Googleは利益のためにユーザーを意図的にだましたと主張しています。

by Robert Scoble

Sims氏は、「Googleは個人を特定できる形で収集する情報の範囲を大幅に拡大しました。これには、サードパーティのウェブサイトで行われた、非常に微妙でプライベートな情報も含まれていました。そしてGoogleはこの情報を用い、ユーザーの明示的な同意なしにターゲット広告を提供しました」と述べています。

一方でGoogleはACCCの提訴に対し、2016年6月に広告システムおよび関連するユーザー制御を更新したことは認めたものの、ユーザーへの通知はわかりやすいものだったと主張。もしユーザーが同意しなければ情報の統合は行われなかったとして、ACCCの主張に強く反対すると述べました。


オーストラリアではさまざまなテクノロジー企業に対して規制を強める動きが活発であり、2019年10月には位置情報の収集に関連してACCCがGoogleを提訴しました。また、2020年4月には「GoogleやFacebookなどのデジタルプラットフォームがニュースコンテンツから得る収益を、コンテンツを作成した既存のメディアに分配するルール」の作成を、オーストラリア政府がACCCに命じたことが報じられています。

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