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Googleが「位置情報収集の無効化方法を隠した」として57億円の罰金を科される


Googleはユーザーの位置情報を収集して広告事業や地図アプリの機能向上などに利用しています。しかし、2018年頃に「ユーザーが位置情報収集機能をオフにしても、Googleは収集を続けている」という実態が明るみになり、世界中の国や地域でGoogleに対する訴訟が提起されました。この訴訟の結果、Googleはオーストリアで6000万オーストラリアドル(約57億円)の罰金を支払うこととなりました。

Google LLC to pay $60 million for misleading representations | ACCC
https://www.accc.gov.au/media-release/google-llc-to-pay-60-million-for-misleading-representations

Google to pay $60m fine for misleading Australians about collecting location data | Google | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2022/aug/12/google-to-pay-60m-fine-for-misleading-australians-about-collecting-location-data

Googleは多様な目的のために位置情報を収集していますが、位置情報収集の有効・無効を切り替える機能も提供しており、位置情報の収集を望まないユーザーは設定変更によって収集を回避できるとされていました。しかし、2018年にAP通信が「位置情報収集を無効にしても『ウェブとアプリのアクティビティ』という設定項目を無効にしない限り位置情報の収集が続く」という問題を報じました。


上記の報道の後、各国の規制当局は「Googleが意図的に位置情報収集の無効化手順を分かりにくくしていた」として訴訟を提起。訴訟の中で提示された証拠には「Google社員が設定手順の難解さを認識していた」「サードパーティー製アプリからも位置情報を収集していた」といったGoogleによるプライバシー軽視の現状を示すものが多く存在していました。

Googleの「位置情報をオフにしても情報を収集し続けていた問題」に関する裁判で追加の情報が次々と明らかに - GIGAZINE


Googleの位置情報収集問題についてはオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)も問題視しており、2021年にはオーストラリアの連邦裁判所が「Googleは位置情報収集無効化について誤解を生む説明を行った」と認定。そして2022年8月12日にはGoogleに対して6000万オーストラリアドルの罰金支払いを命じました。ACCCのGina Cass-Gottlieb議長は「裁判所がGoogleに科した罰則は、デジタルプラットフォームに対して『消費者を誤解させてはならない』という強いメッセージを送るものです」と述べています。

なお、ACCCは位置情報以外の個人情報収集についても「Googleが誤解を招く説明を行った」と主張して裁判所に提訴しており、Googleのプライバシー軽視に関する調査を積極的に行っています。また、ACCCの厳しい追及は「Googleがオーストラリアから撤退するのでは?」という臆測を生んでおり、2021年にはMicrosoftのサティア・ナデラCEOがオーストラリアの首相に「Bingを成長させる準備はできています」と語ったことが話題となりました。

Google検索がオーストラリアで停止する可能性を受けてMicrosoftが「Bingを成長させる準備はできている」と首相と対話 - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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