5Gスマホの出荷台数ランキングが発表、市場シェア1位と最も成長した企業は？

市場調査企業のStrategy Analyticsが、2021年第1四半期(1～3月)における5Gスマートフォン市場の調査結果を発表しました。2021年第1四半期における世界全体の5Gスマートフォンの出荷台数は1億3600万台で、世界で最も急成長した5GスマートフォンベンダーはSamsungとVivoでした。

Strategy Analytics: Samsung and Vivo are World's Fastest Growing 5G Smartphone Vendors in Q1 2021 | Strategy Analytics
https://news.strategyanalytics.com/press-releases/press-release-details/2021/Strategy-Analytics-Samsung-and-Vivo-are-Worlds-Fastest-Growing-5G-Smartphone-Vendors-in-Q1-2021/default.aspx

Strategy Analyticsによれば、2021年第1四半期における世界の5Gスマートフォンの出荷台数は、前四半期比で6％の伸びを示し、1億3600万台の記録を達成したとのこと。5Gスマートフォンの需要は特に中国、アメリカ、西ヨーロッパで増加しており、2020年通年の5Gスマートフォンの世界出荷台数は2億6900万台でしたが、2021年通年の世界出荷台数は記録的な6億2400万台に達すると、Strategy Analyticsは予測しています。

各スマートフォンベンダーによる出荷台数の内訳と成長率(上の表)と市場シェア(下の表)が以下。2021年第1四半期における出荷台数トップはAppleでした。

成長率に注目した場合、2021年第1四半期において、5Gスマートフォンベンダーとして最も成長したといえるのが、Galaxy S21などの5GスマートフォンをフラッグシップモデルとしてリリースしているSamsungでした。Samsungは韓国・アメリカ・ヨーロッパの一部市場でシェアを広げており、Strategy Analyticsによれば、Samsungの5Gスマートフォン出荷台数は前四半期比79％増となる1700万台だったとのこと。


また、iQOO U3やiQOO U7などをリリースする中国のスマートフォンメーカー・Vivoは、5Gスマートフォンの出荷台数が前四半期比62％増の1900万台でした。同じく中国のスマートフォンメーカーであるOppoは前四半期比で5Gスマートフォンの出荷台数が55％増、Xiaomiは前四半期比で41％増でした。

一方、5G対応のiPhone 12シリーズを発表したAppleは出荷台数1位の座は死守したものの、前四半期比23％減の40万台となり、市場シェアも前四半期は40％だったのが29.8％に落ち込みました。ただし、Strategy Analyticsは、Appleの成長率がマイナスになったのは単に売上が悪化したのではなく、前四半期である2020年第4四半期(10月～12月)にiPhone 12シリーズが予想以上に大ヒットした反動だという見方を示しています。

Strategy Analyticsのディレクターであるウッディ・オー氏は「Samsungは5Gスマートフォン市場で急速に成長していますが、中国の市場では大きく遅れています。Samsungは世界最大の5Gスマートフォン市場を抱える中国でのプレゼンスが極めて低く、これがSamsungにとって大きな足かせとなっています。逆に、VivoやOppoなど、中国のベンダーは、市場価値の高いアメリカではほとんど存在感がなく、これが収益や利益を伸ばす上での足かせとなります」と分析しています。