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「退職者続出」の波がパンデミックを乗り越えた企業を襲うとの指摘


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは多くの企業に打撃を与えましたが、ワクチン接種の広がりによって経済活動が回復することが期待されています。ところが、パンデミックを乗り越えた企業が「多くの従業員の退職」という危機に直面する可能性があると、ニュースメディアのAxiosが報じています。

40% of employees are thinking of quitting their jobs, says survey | World Economic Forum
https://www.weforum.org/agenda/2021/06/remote-workers-burnout-covid-microsoft-survey/

Upwards of 40% of workers are thinking about quitting their jobs - Axios
https://www.axios.com/resignations-companies-e279fcfc-c8e7-4955-8a9b-47562490ee55.html

COVID-19のパンデミックにより、対面サービスを提供する仕事や飲食店で勤務する多くの人々が失業の危機に直面したほか、オフィス勤務からリモートワークに切り替える企業も続出しました。そんな仕事の変化が労働者の意識に影響を及ぼした結果、多くの労働者がワークライフバランスやキャリアパスを再考し、「退職」を検討するケースも増えているとのこと。


Microsoftが2021年3月に発表したレポートは、世界中の31カ国で働く3万人以上の労働者を対象にした調査結果や、Microsoft 365およびLinkedInから収集した労働者の生産性とアクティビティレベルを基にして、労働のトレンドについてまとめたものです。Microsoftのサティア・ナデラCEOはレポートの中で、「過去1年間で私たちの働き方ほど急速な変革を遂げた分野はありません」と述べ、企業は変化する従業員の期待に応えることが重要だと主張しています。

レポートでは、多くの労働者が柔軟性の高いリモートワークの継続を望んでいる一方で、リモートワークによって職場内の自発的な交流が減少し、職場内の断絶(サイロ化)が助長されていると指摘されています。Microsoftが電子メールクライアントのOutlookやコラボレーションプラットフォームのMicrosoft Teamsにおける交流を分析し、チーム内で緊密に連絡を取り合う人々で構成された「近距離のネットワーク(黄緑色)」と、より関係性が薄い「遠距離のネットワーク(青紫色)」のやり取りをグラフで示した図がこれ。パンデミック当初は遠距離のネットワークとのやり取りが活発だったものの、次第にやり取りは減少したことから、サイロ化が進んでいることが示唆されています。


また、新たに職場へ加わった従業員が新しい環境に慣れる間もなくリモートワークに移行したため、特に記事作成時点で18~25歳頃に当たるZ世代が苦しんでいることも示されています。Z世代は、「仕事と生活のバランスを取るのに苦労する」と回答する割合がその他の世代より8パーセントポイント高く、仕事の後に疲れを感じる割合も8パーセントポイント高かったとのこと。さらに、「新たなアイデアを出す」「会議などで発言する」「仕事にやりがいを感じる」といったことに苦戦する割合も、Z世代は他の世代より高いそうです。

そしてMicrosoftはレポートの最後で、「労働者の41%が今年(2021年)中に現在の勤め先をやめることを検討しており、46%はリモートで作業可能になったことを受けて転職する可能性が高いと述べています」と指摘。パンデミックに伴う労働環境の変化から、多くの従業員が退職する可能性があると示唆しています。


Microsoftのレポートではリモートワークの広がりを中心とした労働環境の変化に焦点が当てられていましたが、Axiosはその他の複合的な理由も退職者の増加に拍車をかける可能性があると述べています。

たとえば、ミシガン大学の経済学者であるBetsey Stevenson氏はAxiosに対し、「人々に『これが本当に自分がやりたいことなのか』と自問自答する少しの余裕が生まれました」とコメント。パンデミックをきっかけとして自分の生き方を再考した結果、家族や趣味により多くの時間を割くことを決め、退職または転職に踏み切るかもしれないと示唆しました。

また、クルーズ船や航空業界はパンデミックによって大きな打撃を受けており、JALやANAでは雇用を維持するために社員をコールセンターや家電量販店などに出向させています。こうした不安定な状況に直面した従業員の中には、別の業界への転職を考える人も多いとのこと。さらに、パンデミックを通じて自然と触れ合う仕事に魅力を覚え、屋内での仕事からガーデニング業に転職するというケースも報告されています。


経済が回復した矢先に退職者が出ることは企業にとって頭が痛い問題かもしれませんが、従業員にとっては退職者の増加がメリットをもたらすかもしれないとAxiosは指摘。アメリカでは2021年4月に930万人もの求人があったとのことで、アメリカ合衆国労働省労働統計局が統計を取り始めた2000年12月以来最高の求人数を記録しています。雇用の流動性が高まることにより、2022年には人々がより自分の好みに合った職に就くことができている可能性があるとのことです。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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