「URL短縮サービスを用いるべきでない理由」とは?
ウェブページのURLを短くしてくれるURL短縮サービスは、文字数制限を回避や可読性の向上のために広く用いられています。そんな中、イギリスの公的機関「Government Communication Service(GCS)」が、URL短縮サービスに関する誤解とリスクを解説しています。
Link shorteners: the long and short of why you shouldn't use them - GCS
https://gcs.civilservice.gov.uk/blog/link-shorteners-the-long-and-short-of-why-you-shouldnt-use-them/
◆よくある誤解その1:SNSでリンクを共有する際は、URL短縮サービスを使う必要がある
GCSによると、多くの人が「SNSでリンクを共有する際は、文字数制限を回避するためにURL短縮サービスを用いてURLを短くする必要がある」と考えているのこと。
しかし、記事作成時点では、TwitterやLinkedInといった多くのSNSがURLを短縮する独自の方法をサポートしているため、実は外部のURL短縮サービスを用いる必要はありません。
◆よくある誤解その2:URL短縮サービスがクリック数などを分析してくれる
URL短縮サービスの中には、リンクのクリック数などの分析機能があることをユーザーにアピールしているサービスもあります。
しかし、TwitterやInstagramなどのSNSは独自の分析ツールを提供しているため、URL短縮サービスの分析ツールを用いる必要はありません。また、GCSは「分析を強化したい場合は、GoogleアナリティクスやUrchin Tracking Module (UTM)といった分析専用ツールを使用してください」と述べています。
◆リスクその1:プライバシーを保護できない
URL短縮サービスは、それぞれ独自のプライバシーポリシーを持っており、URL短縮サービスのユーザーがプライバシーポリシーを管理することは不可能です。このため、ウェブサイトの訪問者が「URL短縮サービスを用いて作成したリンク」をクリックした場合、訪問者のプライバシーが脅かされる可能性があります。
◆リスクその2:アクセシビリティの低下
URLには、アクセス先のウェブサービスの内容を示す役割もあります。例えば、「https://gigazine.net/」というURLを見たユーザーは「GIGAZINEのトップページにアクセスできる」と推測することができます。しかしURL短縮サービスを用いて「https://○.○/○○○/」のようなURLを生成した場合、ユーザーはアクセス先のウェブページを推測できません。
◆リスクその3:ブランドの信頼を損なう
上記の通りに、ユーザーは、URLからアクセス先のウェブページを推測できます。そのため、例えばURLに「gov.uk」というドメインが含まれている場合、ユーザーは「イギリス政府による信頼できる情報源にアクセスできる」と、アクセス先を信頼してリンクをクリックできます。しかし、短縮URLサービスを使うと、ユーザーからの信頼が失われてしまいます。
◆リスクその4:リスクを広める可能性がある
GCSは、「もし、GCSが外部のURL短縮サービスを多用した場合、ユーザーに『短縮URLをクリックしても安心』という認識を植え付けてしまう可能性がある」と指摘。これを踏まえGCSは、ユーザーに「『gov.uk』や『nhs.uk』といったドメインが含まれるURLは、政府公式情報のURLだ」という認識を広めるために、外部のURL短縮サービスを使わないことを宣言しています。
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