時間を操っているような不思議な映像をスローモーションを利用して撮影した「Playing With Time」
リアルタイムの映像とスローモーションの映像を組み合わせることで、時間を操っているかのような不思議な映像にした「Playing With Time」がYouTubeで公開されています。一体なにがどうなっているの?としげしげ見てしまう完成度となっており、非常に興味深いメイキングも公開されています。
Playing With Time - YouTube
ミルクの入ったカップの上でクッキーを掲げるBen Ouaniche氏。
クッキーを手放し……
ミルクの中に落ちていくクッキーを前にして、落ち着いた様子でスマートフォンを手に取ります。
カメラアプリを立ち上げ……
ミルクが跳ねる様子を撮影。
現在進行形でミルクがカップからあふれるさなか、撮影した写真をカメラに向けます。Ouaniche氏が動く速度は普通であるのに対し、ミルクに落ちるクッキーだけがスローモーション。まるで時間を操っているかのような映像です。
続いては、水風船を片手に針を準備するOuaniche氏。
針を刺すと当然のことながら水風船は破れます。
水風船がスローモーションで落ちていく間にOuaniche氏は腕を後ろに引いて……
空中でパンチ。
腕を振り切った方向に水が広がっていきます。
続いては、フライパンの上に卵をのせ、その上に握った手をかざしているOuaniche氏。
手を開くと卵が割れ……
閉じると卵がもとの状態に戻っていきます。
今度はケーキの上にカラースプレーをぶちまけるOuaniche氏。
カラースプレーはゆっくりと流れ落ちていき、ボトルをどけても塔のように存在しています。
息を吹きかけると……
なぜかろうそくに火がともる結果に。
続いては割れた牛乳瓶を前にスタート。
時計の針は進んでいきますが、割れた牛乳瓶の時間は逆に戻っていきます。
フタまで元の位置に戻っていって……
最後は、最初とは逆に牛乳瓶の底が割れました。
また、崩れてしまったジェンガを悲しみの目で見つめているOuaniche氏ですが……
「Ctrl+Z」で「戻る」を押すと……
ぐいーんと戻っていくジェンガ。
ジェンガを倒してしまっても、元に戻して遊びを続行できます。
Ouaniche氏はイスラエルに拠点を置くビジュアルアートディレクター。上記の映像は「Chronos 2.1-HD High Speed Camera」を使って1000フレーム/秒で撮影されたとのことです。
これがOuaniche氏の撮影部屋。
映像は「実際の時間で動く映像」と「スローモーションの映像」を組み合わせているため、両者を完全に一致させる必要がありました。以下はカラースプレーをぶちまける映像のメイキングで、Ouaniche氏がスクリーンにフィルムを貼り、ペンでボトルをなぞっています。
ボトルの位置をリアルタイムの映像と全く同じ位置に配置し、スローモーション用の撮影が行われました。
またChronos 2.1-HD High Speed Cameraの撮影映像は「8秒まで」という制限があり、Ouaniche氏は8秒に収まる範囲で撮影を行ったそうです。
水風船の途中でパンチする映像は、「水風船を落とす映像」と「水風船をパンチする映像」で分けて撮影を行ったようですが、前者では水風船が机に着地して水が跳ね返らないよう、特殊な装置が使われています。
なお、ムービーの一部はクリストファー・ノーラン監督の「TENET テネット」にインスピレーションを受けたとのことで、ミルク瓶が割れる映像にはノーラン監督へのオマージュを込めたとOuaniche氏は述べています。
・関連記事
顕微鏡のレンズをデジタルカメラに取り付けたらどのような写真が撮れるのか? - GIGAZINE
「臨場感あふれるキノコの写真」を撮影したい人にプロがおすすめする10のテクニック - GIGAZINE
1枚のレンズがマクロレンズや望遠レンズに変化する「液体レンズ」搭載スマホの登場をXiaomiが予告 - GIGAZINE
写真撮影の表現を大きく広げることが可能な7つのDIYテクニック - GIGAZINE
ひと味違う写真を炎・氷・火花でカンタンに撮影する8つのテクニック - GIGAZINE
・関連コンテンツ