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「Android 12」のパブリックベータ版が登場、一体何が変わるのか?


Googleが2021年度の年次開発者向け会議「Google I/O 2021」の中で、Androidの次期メジャー版「Android 12」のパブリックベータ版を発表しました。GoogleはAndroid 12について「最も野心的なリリース」と説明し、特にUIの大規模刷新について「Android史の中で最大のデザイン変更」と語っています。

Android Developers Blog: What’s new in Android 12 Beta
https://android-developers.googleblog.com/2021/05/whats-new-in-android-12-beta.html

???? Android 12 Beta. #GoogleIO pic.twitter.com/rEkDzCMLPJ

— Google (@Google)


???? #Android12 is in BETA with a new user-centric UI, improved performance, and privacy and security at its core.

Developers now have more tools to build delightful experiences across mobile, laptops, tablets, wearables, TVs, and cars → https://t.co/1bKJUsNGVI#GoogleIO pic.twitter.com/q4Wk5lGvKq

— Android Developers at #GoogleIO (@AndroidDev)


現地時間2021年5月18日、Googleが「Android 12」のベータ版を発表しました。このベータ版の発表は開発者向けプレビュー版の発表時に予告されていたスケジュール通りの動き。このスケジュールによると、6月と7月にはベータ版第2段第3段が、8月には最終ベータ版が公開される予定です。


今回発表されたベータ版第1弾において、特に目玉とされているのが「Materiau UI」と呼ばれる大規模なUI刷新。Material UIの最大の特徴は「Color Extraction」というパーソナライズ機能で、ユーザーが設定した壁紙から自動で抽出した色をシステム全体に自動反映してくれます。

「Android 12」でUIデザインはどのように変化するのか? - GIGAZINE


そのほか、大きな改修点は以下。

◆UI
・ウィジェットの再設計
全体的なデザイン刷新に伴い、ウィジェットもより便利で美しく、見つけやすい外観になりました。全体的な見た目としては各ウィジェットの角が丸くなり、ランチャーやホーム画面に合わせて自動でパディングするように変化。ウィジェット自体にもシステムカラーが反映されるようになり、一貫性のあるカラーリングでデバイス全体を彩ることが可能となっています。加えて、新たにウィジェット内にチェックボックス・スイッチ・ラジオボタンなどを配置することも可能となっています。


また、ウィジェットの自動スケーリングを有効化する「Responsive Layouts」により、一般的なスマートフォンだけでなく折りたたみ式スマートフォンやタブレットにまでウィジェットが最適化されるようになりました。

・ストレッチ オーバースクロール
システム全体に新たに「ストレッチ オーバースクロール」というエフェクトが追加され、スクロール時にコンテンツの終端に達したことがわかりやすくなりました。

・オーディオトランジションのスムーズ化
ビジュアルだけでなくオーディオのUIも刷新し、オーディオを再生するアプリケーション間を移行する際、各アプリケーションのオーディオが重なることがなくなりました。

◆パフォーマンス
・システムパフォーマンスの改善
Android 12ベータにおいてはコアシステムサービスに必要なCPU時間を22.1%も削減することに成功し、処理の高速化と応答性の向上を達成しました。さらにシステムサーバーによるビッグコアの使用を15.4%削減したことにより、電力効率とバッテリー持続時間が改善しました。


加えてロックの競合やレイテンシーの軽減によって、アプリのロード時間の高速化を達成。一例として、「Googleフォト」の起動は36%も速くなっています。

・Androidデバイスの標準化
Androidエコシステムのパートナー各社と連携し、デバイス機能に関して「パフォーマンスクラス」と呼ばれるベースラインを設定しました。パフォーマンスクラスは、カメラの起動待ち時間・コーデックの可用性・エンコード品質・最小メモリサイズ・画面解像度・読み取り/書き込みパフォーマンスなど多岐にわたるもので、開発者は各Androidデバイスに設定されたパフォーマンスクラスを確認し、デバイスの機能を最大限に引き出すことができる設定を把握できます。

◆デザインによるプライバシー設計
・アプリの自動休止化
2020年にリリースされた「権限の自動リセット」機能がリリース後わずか2週間で850万台に使用されたという好評を受け、長期間使用されていないアプリを自動判断して休止状態にする機能を実装しました。休止状態に設定した場合、権限が全て無効化されるだけでなく、アプリが強制停止されてメモリやストレージなどのリソースが解放されます。新たな自動休止機能によってデバイスのストレージ・パフォーマンスを節約し、安全性を向上させることが可能です。

#Android12: Powerful privacy features that give you control - YouTube


・Bluetoothデバイスのペアリングに位置情報が不要に
従来は、「Bluetoothデバイスとペアリングする必要があるが、デバイスの位置情報は使わない」というアプリでも位置情報の許可が必要でした。Android 12ベータでは位置情報の許可を与えることなく、アプリ側に近くのBluetoothデバイスをスキャンする権限を与えることが可能です。


・位置情報の「おおまかな位置」という選択肢
これまでAndroidでは、位置情報の許可について「アプリの使用中のみ許可」や「今回のみ」といった選択肢を提供していました。Android 12ベータでは新たにアプリに最低限必要な位置情報を許可するという「おおまかな位置を許可する」という選択肢を設けました。Googleは開発者に対して、「一般的な位置情報の利用において、おおまかな位置情報のみを要求するよう勧めます」と述べています。

◆導入方法
新たに発表された「Android 12」のベータ版は、開発者だけではなくアーリーアダプター(新規技術を積極的に試したいという人)向けとなっており、Google製スマートフォンのPixelだけでなく、ASUSやOppo、シャープなどのスマートフォンにも導入可能です。導入する場合、下記のリンクからデバイスメーカーごとの導入方法を参照してください。

Android 12 Beta devices | Android 12 デベロッパー プレビュー | Android Developers
https://developer.android.com/about/versions/12/devices


Android 12のベータ版を導入するユーザーに対し、Googleは「より多くのユーザーがAndroid 12ベータでアプリを試し、問題を報告してくれることを期待しています」とコメントしています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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