セキュリティ

ランサムウェアで操業停止したアメリカ最大の石油パイプラインが操業再開


2021年5月9日にランサムウェア攻撃により操業を停止したアメリカ最大の石油移送パイプライン企業Colonial Pipelineが操業を再開すると発表しました。

Colonial announces pipeline restart, says normal service will take 'several days'
https://www.nbcnews.com/tech/security/colonial-announces-pipeline-restart-says-normal-service-will-take-seve-rcna917

Colonial Pipeline Begins Restart: Latest News on the Shutdown - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/05/12/business/energy-environment/pipeline-shutdown-latest-news.html

Colonial Pipelineは1日1億ガロン(3億8000万リットル)の燃料を輸送し、東海岸で使われる燃料の45%をまかなっているというアメリカ最大の石油移送パイプライン企業。そのColonial Pipelineが5月9日にランサムウェア攻撃を受け、被害拡大を防ぐためにシステムをシャットダウンするという事件が発生しました。

アメリカ最大の石油パイプラインがランサムウェア攻撃で停止、バイデン政権は緊急事態を宣言 - GIGAZINE


システムの停止状態は約5日間続きましたが、5月13日にColonial Pipelineは「2021年5月12日午後5時頃にパイプライン事業を再開した」と発表しました。

今回の犯行に関与したランサムウェア犯罪グループ「DarkSide」は、「自分たちの目的は金を稼ぐことであり、社会問題を引き起こすことではない」という、今回の一件についての釈明とも取れる声明を発表していますが、アメリカの大手メディアは「一線を越えた」と評しています。DarkSideはロシア語のフォーラムを母体とするグループであり、今回の犯行声明においても英語のスペル間違いなどが確認されたことからロシア系の犯罪者グループとされており、バイデン大統領は「今回の攻撃はロシア政府の指示によるものではないが、ロシア政府には本件に対処する責任がある」という声明を発表しています。

今回の事件によって約5日間にわたって燃料の補給が断たれた東海岸では、ガソリンの払底による恐慌状態が引き起こされており、ガソリンを求める市民がガソリンスタンドに押し寄せて長蛇の列が形成される事態が発生していました。以下は、ノースカロライナ州シャーロットにあるセブン-イレブンが営業するガソリンスタンドに並ぶ市民の様子。


この需要急増によってガソリン価格もハリケーンなどの緊急時にしか見られないレートで急騰を見せており、中には「ビニール袋」でガソリンを保管しようとする市民も出現。消費者製品安全委員会が「ガソリンをビニール袋で保管するのはやめてください」「認可済みの専用容器を必ず使ってください」という公式声明を出すに至っています。

Do not fill plastic bags with gasoline.

— US Consumer Product Safety Commission (@USCPSC)

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in セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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