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Googleがインターネットを支配する上で握っている「特権」とは?


インターネットで検索することを俗に「ググる」というほど、Googleは検索市場で大きなシェアを誇っています。そんな状況に警鐘を鳴らす技術者により設立されたKnuckleheads' Clubが、「Googleは特権を手にしている」と指摘しています。

Google's Got A Secret - Knuckleheads' Club
https://knuckleheads.club/

Google Dominates Thanks to an Unrivaled View of the Web - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/12/14/technology/how-google-dominates.html

「Googleに歯向かうなんてバカ(Knucklehead)のやること」という意味を込めて命名されたKnuckleheads' Clubによると、あらゆる検索エンジンはウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するクローリングというシステムに依存しているとのこと。検索エンジンは、クローリングを行いあらゆるサイトのコピーを作成しておくことで、ユーザーからの検索に素早く反応することが可能です。


クローリングはサイトへのアクセスにより行われるため、無数の検索エンジンがひっきりなしにクローリングを行うと、帯域を圧迫したりサーバーに負担がかかったりします。そのため、サイトの管理者はクローリングを許可する検索エンジンの数を絞らなくてはならなくなります。これにより一部の検索エンジン、特にGoogleだけがクローリングを許可される状況ができあがっているとのこと。これが、Knuckleheads' Clubが指摘している「Googleの特権」です。

これについて、Knuckleheads' Clubは「Googleだけが大々的にクローリングできるという状況は、Googleが悪いわけでも違法なわけでもありませんが、大いに問題です。Googleに負けた競合他社は、口をそろえてGoogleがいかに優位に立っているかに苦言を呈しています。これは明らかに市場の失敗であるため、Googleの独占状態を打破するためには各国の政府が介入を行わなければならないと我々は考えています」と述べました。

Knuckleheads' Clubの創設者であるザック・マリル氏がこの問題を知ったのは、音楽配信サービス・Bandcampで働いていた時のことでした。Bandcampの運営には、Google検索から多くの人々を呼び込む必要があったため、Googleのクローラが何かトラブルを起こすと、マリル氏はその問題の解決にかかりっきりになりました。しかし、他の検索エンジンのクローラがなにか問題を起こすと、Bandcampはそのクローラをブロックしてしまっていました。


こうした検索市場の在り方に疑問を抱くようになったマリル氏は、Googleとは直接関わらない別のテクノロジー企業に転職する傍らで、Googleの問題をまとめた報告書を作成してアメリカの連邦議会に提出し、反トラスト小委員会の調査員と面談するといった活動を開始するようになりました。

そして、2020年にはKnuckleheads' Clubを設立して、Googleの独占に関する問題の調査や政策提言を本格的に行っているとのこと。マリル氏は、自身の活動を取り上げたThe New York Timesの取材に対し、「Googleは社会の中で大きな力を持つに至りました。その力は民主的に、つまり小さな声の力でコントロールしなくてはならないと思います」と話しました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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