Windows 10でオーディオやグラフィックスアプリを含むLinuxのGUIアプリを使用可能にする「WSLg」機能が登場
2021年4月21日、MicrosoftがWindwos 10の「Insider Previewビルド 21364」のリリースを発表しました。このビルドで、Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)を使用したLinux GUIアプリケーションの実行が可能になっています。
The Initial Preview of GUI app support is now available for the Windows Subsystem for Linux | Windows Command Line
https://devblogs.microsoft.com/commandline/the-initial-preview-of-gui-app-support-is-now-available-for-the-windows-subsystem-for-linux-2/
Introducing Linux GUI apps running on Windows using the Windows Subsystem for Linux (WSL) - YouTube
Windows環境でLinux GUIアプリケーションを実行できるこの機能は「WSLg」と呼ばれ、オープンソースで開発されています。Windowsでは、Visual Studio CodeのRemote Developmentを用いてリモートOS上のコードを編集可能ですが、これに対し、WSLgを用いるとgedit、GVim、JetBrainsベースのエディタなどでLinuxアプリをWindows上で直接ビルド、デバッグすることなどが可能です。Windows上でLinux GUIアプリを表示させる際、従来は予めXサーバーなどのアプリを設定・実行しておく必要がありましたが、WSLgの実行の際はそういったディストリビューションが自動的に開始・終了処理が行われ、ディストリビューションが動作していることをユーザーに意識させないようになっているとのこと。
また、Linuxのみに存在するGUIアプリケーション、あるいは独自のアプリケーションをWindowsで直接実行したり、Linux環境でテストを行うことも可能。オーディオとマイクもサポートされており、Linuxで実行されているAudacityで録音・再生することも可能です。
このほかにも、WSLのGPUアクセスを活用した3Dアクセラレーションも有効化されており、複雑な3Dレンダリングを実行しているアプリケーションでは、OpenGLの描画演算処理をGPUに委ねた高速化も可能になっています。
なお、WSLgを利用するにはInsider Previewビルド 21364以降を使用している必要があります。WSLが既にインストール済みの場合はそのまま実行するとWSLgを使用可能。未インストールの場合、このページの手順に従うと、WSLセットアップの一部としてWSLgを自動的にインストールできます。
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