生き物

ネコのおなかがポッコリ膨らんでいる理由とは?


ネコのおなかはたぷたぷとしているように見えますが、必ずしも太っているわけではありません。猫が歩くときにぷるぷると揺れるおなかが脂肪でなければ一体何なのか、その正体について科学系ニュースサイトのLive Scienceが解説しています。

Why do cats have belly 'pouches'? | Live Science
https://www.livescience.com/cats-primordial-pouch.html

ネコの腹部のたるみは「primordial pouch(原始的な袋)」という名前がつけられた柔らかい皮膚と脂肪の組織で、日本では「ルーズスキン」と呼ばれることもあります。

2ページ猫漫画「菊ちゃんのたるみ」 #ルーズスキン #原始的な袋 pic.twitter.com/YX26cCs8Ap

— 湊文『猫の菊ちゃん』 (@sobun_nekomanga)


このルーズスキンはネコの下腹部に存在しています。アメリカ獣医師会のホセ・アルチェ会長は「ルーズスキンは完全に正常で健康なもので、すべてのネコに備わっています。その大きさはさまざまで、中にはほとんど検出できないほど小さいものもあります。ルーズスキンは、ネコが走っている時に前後に跳ねている様子で確認することができます」と解説しています。


アルチェ会長によれば、ネコがルーズスキンを持っている理由については主に3つの説があるとのこと。

1つは「戦闘の際に敵の爪や歯を腹の中に食い込ませないようにして、内臓を保護するため」というもの。毛皮や脂肪で覆われた袋を持つことで、致命的な攻撃から身を守るのがルーズスキンの役割になるという説です。

2つ目の説は、「ネコがより速く移動できるようにするため」というもの。走る時にルーズスキンが伸び縮みすることで、体の柔軟性が増し、より遠くまで走ることができると考えられています。

そして、3つ目の説が「大量に餌を食べて、そのエネルギーを保存するためのスペースになっている」というもの。家で飼育されているネコは食事を管理されている場合がほとんどですが、野生のネコは食べられる時に食べる生活を送っています。大きな獲物を仕留めて食べて蓄えた脂肪を貯蓄することで、ルーズスキンが栄養タンクとして機能するというわけです。

by Melissa Wiese

ネコだけではなく、ライオンやトラなどの大型のネコ科動物もルーズスキンが備わっているとのこと。アルチェ会長によれば、ネコの場合はオス・メス問わず生後6カ月頃からルーズスキンの発達が見られるそうです。

アルチェ会長は「自分のネコが大きいルーズスキンを持っているのか、それとも太っているのかを見分けることが飼い主にとって重要です」と述べています。人間と同様に、ネコにとっても肥満は心臓病や糖尿病、高血圧を引き起こす可能性があるほか、関節炎やがんのリスクも高めるため、飼い主はルーズスキンと肥満を的確に見分ける必要があります。

アルチェ会長によれば、ルーズスキンと肥満を見分けるためには、ネコの体形をしっかりと観察することが大事だとのこと。ネコを抱えて後ろ足で立たせた時、ルーズスキンは下半身下部から後ろ足に向かって垂れ下がります。一方で、腹部についた脂肪は下半身全体についているので、見分けがつくとのこと。

by xiuvw

また、ネコを抱えた時にネコの肋骨(ろっこつ)の感触が手に感じられない場合、太りすぎである可能性が高いと、アルチェ会長。加えて、腹部の脂肪はネコが歩いたり走ったりしてもそこまでたぷたぷと揺れないので判別がつくそうです。

アルチェ会長は「飼っているネコが太りすぎではないかと思ったら、獣医師に相談してみましょう。低脂肪・高繊維質の食事を与えるべきだと診断されるかもしれません」と述べています。また、ネコの肥満防止のためにはおもちゃで遊んだり、1日15分の運動を欠かさず行わせることが重要だとしています。

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in 生き物, Posted by log1i_yk

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