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国会に提出された議案を分かりやすく可視化してくれるウェブサービス「LawHub」を使ってみた


衆議院の公式サイトでは、提出された議案の一覧が公開されていますが、それぞれの議案は「改め文」と呼ばれる形式が記されており、読みづらく感じる場合もあります。オープンソースで公開されているウェブサービス「LawHub」では、読みづらい国会の議案をカラフルに分かりやすく表示してくれるとのことで、実際に使ってみました。

LawHub | 国会に提出された議案をGitHubのような差分形式で可視化します。
https://lwhb.github.io/

LawHubのトップページはこんな感じ。「現在審議中の議案はこちら」をクリックして、国会に提出された議案を確認してみます。


すると、議案がズラリと並んだGitHubのPull Requestページが表示されました。記事作成時点では、LawHubには2020年に召集された第201回国会における議案が登録されています。詳細を確認したい議案をクリックすると……


議案の提出理由や議案審議経過情報が表示されます。「金融機能の強化のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案」によって改正された部分を確認するには、上部に表示された「Files Changed」をクリックします。


すると、GitHubの差分表示機能を用いて、変更前の文(赤)と変更後の文(緑)を並べて比較することができます。


実際に改正された部分を確認すると、「すべて」から「全て」への表記変更や……


「平成34年(西暦2022年)」から「令和8年(西暦2026年)」への日付の変更などが行われたことが分かります。


LawHubのトップページでは、国会開示別の議案一覧を確認できるようなので、実際に第200回国会で提出された議案一覧を確認してみようとしましたが……


記事作成時点では、「結果なし」と表示され閲覧することができませんでした。


LawHubの開発者のツイートによると、LawHubは2020年1月に公開されたものの、「改め文の言語処理が複雑であったこと」と「各省庁が新旧対照表」を公開していること」を理由に更新停止中とのこと。

(2/n) しかし残念ながら現在開発は停止しています。その理由としては、改め文を機械的に正確に解釈することが技術的に困難であったこと、そして何より「新旧対照表」という差分形式の公式資料が各省庁のサイトで公開されていることが分かったためです。

— LawHub (@lawhubtokyo)


一方で、「法律をGitで改正案をPRとして管理するというのはやはり興味深い試みだと思います」と、開発者は述べています。

一方で法律をGitで改正案をPRとして管理するというのはやはり興味深い試みだと思います。法律の編集履歴が自然な形で管理されているというのは、過去のバージョンを簡単に参照できるだけでなく、法改正の流れを把握する上でも利点があるかと思います。今後も引き続き考えてみたいと思います。

— LawHub (@lawhubtokyo)


なお、LawHubの開発者は、国会の情報をタイムライン形式で確認できるウェブサービスである「PolityLink」も公開しています。

PolityLink
https://politylink.jp/

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