Facebookのガイドラインは公人に対する批判的な投稿を許可している
Facebookのガイドラインでは、公人に対する批判的な投稿に対し、特定の条件の下では削除しない対応を取っていることが判明しました。海外メディア「The Guardian」が報じています。
Facebook guidelines allow users to call for death of public figures | Facebook | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2021/mar/23/facebook-guidelines-allow-for-users-to-call-for-death-of-public-figures
The Guardianが、Facebookの投稿内容を審査する「モデレーター」から入手した情報によると、「Facebookのガイドラインでは、公人に対し、『タグ付け』を伴わない批判的な投稿を削除しないことを定めている」とのこと。「タグ付け」とはFacebookの機能の1つで、自身の投稿にユーザーのプロフィールへのリンクが含まれた「タグ」を付け、誰のことを話しているのか、写真に誰が写っているのかなどを分かりやすくするものです。投稿にタグ付けを行うと、タグが付けられたユーザーにお知らせが送信されたり、設定次第ではタグが付けられたユーザーのタイムラインに投稿が表示されたりといったことが行われます。
The Guardianが確認した300ページを超えるFacebookのガイドラインには、公人と私人の保護について詳細に記述されていたとのこと。ガイドラインによると、公人については「個人にとって深刻な脅威となる投稿や、タグ付けがされている攻撃的な投稿」、私人はそれに加え「性的行為に関する主張といった、ユーザーの品位を傷付けるような投稿」をFacebookが削除すると定められています。
また「公人」の基準については、「過去2年以内に5つ以上のニュース記事またはメディア作品で言及された13歳以上の人々」といった条件により定義されています。The Guardianは「SNSアカウントで10万人以上のフォロワーがいる人は、公人とみなされる可能性がある」と指摘しています。
Facebookはモデレーターに対し「ニュースで取り上げられている人への、批判的な内容を含む議論を許可したいとも考えている」と説明したとのこと。Facebookは「いじめと嫌がらせに関するポリシー」で、侮辱的な表現や身体に危害を加えることを示唆するような投稿から個人を保護することを定めています。しかしタグ付けされていない公人に対する深刻でない投稿は例外であり、Facebookの内部関係者は例として「消えうせろボリス・ジョンソン、さもなければ辞任しろ」「ジャイール・ボルソナーロはさっさとくたばった方が人々の幸せになる」などの投稿をあげ、これらの「比喩的な投稿」は削除の対象にならないと述べています。
Facebookがタグ付けされた時点でのみ投稿を削除する理由についてThe Guardianは「タグ付けによりその投稿が耳目を集めるので、Facebookはタグ付けが『意図的な危害』になると信じているため」だと述べています。
ネット上の批判に対抗する組織「Center for Countering Digital Hate」の創設者、イムラン・アハメド氏はこのガイドラインを「バカげている」と述べ、「ジョー・コックス国会議員の殺害や、アメリカの連邦議会議事堂での国内テロなどの発生が近年注目を集めているのにもかかわらず、Facebookは公人に対する暴力的な投稿を助長している」と批判しています。
Facebookの広報担当は「公人を虐待したり嫌がらせしたりといった行為を人々に許可しているわけでは無い。標的が誰であろうと、ヘイトスピーチや深刻な危害の脅威を取り除き、公人を嫌がらせから保護するためのより多くの方法を模索している」と述べています。
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in Posted by log1p_kr
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