サイエンス

2100年までに「1年の半分が夏になる」という予測


地球の気候変動は日々進行しており、「気候変動は第三次世界大戦レベルの危機」だと主張する専門家もいます。そんな気候変動について、新たに「気候変動がこのまま進めば、2100年までに1年の半分が夏になる」と予測する研究論文がアメリカ地球物理学連合(AGU)の学会誌に掲載されました。

Changing Lengths of the Four Seasons by Global Warming - Wang - - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2020GL091753


Northern Hemisphere summers may last nearly half the year by 2100
https://phys.org/news/2021-03-northern-hemisphere-summers-year.html

中国科学院で熱帯海洋学を研究するYuping Guan氏が率いる研究チームは、1952年から2011年までの世界中の気候情報を収集し、北緯30度から60度のエリアの気温の平均を算出。そのエリアの一年間の気温のうち、最も高い気温から25%の範囲の期間を夏、最も低い気温から25%に気温の期間を冬、その間の期間を春・秋と定義して各季節の長さを求め、結果を円グラフに示しました。なお、日本は北緯20度から46度の間に位置しているので、このエリアに含まれます。

調査の結果はこんな感じ。1952年は「春:124日」「夏:78日」「秋:87日」「冬:76日」で、夏と冬がほとんど同じ長さです。なお、1952年はうるう年ですが、簡潔な比較のために2月29日は無視されています。


2011年の四季の長さは、「春:115日」「夏:95日」「秋:82日」「冬:73日」。夏の期間が長くなり、春・秋・冬の期間が短くなりました。


研究チームは、調査の結果を基に、気候変動が現状のまま進行した場合の2100年の四季の期間を予測。その結果、2100年には「春:108日」「夏:166日」「秋:60日」「冬:31日」と、1年の約半分を夏が占め、冬が1カ月程度になるという予測が導き出されました。


Guan氏は、「気候変動は、農業への悪影響や、重大な健康リスクなどを引き起こすと考えられています」と語り、気候変動の人類への影響の大きさを主張しています。

なお、2019年に「2100年には気候変動によって農業の生産性が25%、漁業の生産性が60%低下する」という予測が発表されたり、2021年2月には「2100年までに地球の海面が1.35メートル上昇する」という予測が発表されたりと、気候変動による地球環境への深刻な影響が懸念されています。

気候変動は農業・漁業に深刻な打撃を与えるという研究結果 - GIGAZINE

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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