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Apple Cardの設定ミスでApple IDが凍結される事態に

by Jeff Geerling

Appleユーザーにとって、App StoreやiCloudなどのAppleサービスが使用不能になる「アカウント凍結」はなんとしても避けたい事態です。AppleのクレジットカードであるApple Cardで、銀行口座番号の変更を反映し忘れたことで、Appleのアカウントが一時停止されてしまったと、Appleユーザーでデザイナーのダスティン・カーティス氏が訴えています。

Apple Card disabled my iCloud, App Store, and Apple ID accounts
https://dcurt.is/apple-card-can-disable-your-icloud-account

カーティス氏が最初に気付いた異変は、MacのApp Storeでアプリを更新しようとした時に表示された「アカウントが無効化されています」というエラーでした。


インターネット上では、「原因不明の理由でアカウントがロックされて、メールやデータを全て失った」というニュースをよく目にしますが、「Appleのような顧客中心の企業でそんなことは起きないだろう」と思っていたカーティス氏は、取り越し苦労だと考えて特に対応しませんでした。

しかし、数日後にApple Musicまで利用不能になり、その数分後にはiCloudのカレンダーが同期に失敗したというメッセージを表示しはじめました。


さすがに焦ったカーティス氏は、Appleのサポートセンターに連絡しました。しかし、サポート担当者は原因を全く特定することができず、「何か分かったら明日電話する」とカーティス氏に伝えました。しかし、カーティス氏の元にAppleから電話がかかってくることはありませんでした。

数日間待っても一向に連絡が来ないため、カーティス氏は再度Appleのサポートセンターに連絡しました。すると、2人目のサポート担当者は、Apple Cardについて何か説明したとのこと。要領を得ないものの、Apple Cardが原因らしいことが分かったため、カーティス氏はApple Cardに関する連絡が入っていないか確認してみました。

すると、2021年2月15日にAppleから「お客様の新しいiPhoneの代金を全額回収することができませんでした。そのため、ご注文のデバイスからApple iTunesおよびMac App Storeへのアクセスをブロックし、デバイスに関連するすべてのアカウントを無効にさせていただきます」というメールが来ていたことが判明しました。


このメールについて、カーティス氏は「これはApple Cardの支払い期限がたった数日しか過ぎていない時に送られてきたメールです。その中でAppleは、料金を回収するために私のAppleアカウントを人質にしたと言ってきました。しかし、私がAppleから購入したのはiPhoneではなくMacBook Proです。また、iTunesに言及していますが、メディアアプリとしてのiTunesはもう存在していません」と述べています。

この問題の発端は、カーティス氏が使っている銀行の口座番号が1月に変更されたことでした。しかし、カーティス氏はApple Cardの設定を変更し忘れてしまっていたので、自動支払い機能がエラーを起こしていたとのこと。その後、Apple StoreからApple Cardに請求があったものの、Apple Cardで決済できなかったため、問題発生から15日もたたないうちにApp Store・iCloud・Apple Music・Apple IDなどがすべて凍結されてしまいました。


また、カーティス氏は1月にM1搭載のMacBook Proを購入しており、その際古いデバイスを下取りに出して割引きサービスを受けられる「Apple Trade In」を利用しました。しかし、Appleから下取り用の郵送キットが届かなかったたため、古いMacをAppleに送れませんでした。Appleから届いたメールに記載されていた「新しいiPhoneの代金を全額回収することができませんでした」というのは、このことだろうとカーティス氏は考えています。

確かに、Appleから古いMacを送るよう催促するメールが2月中旬に届いていましたが、カーティス氏はそのメールに「キットが届いていないので、キットを再送して欲しい」と返信しました。しかし、その後Appleから音沙汰はなく、郵送キットも届いていないそうです。

Apple Cardの設定を修正したカーティス氏は、Appleから届いたメールの返信先として指定されていた「[email protected]」に返信して問題の解決を依頼しました。しかし、メールは「アドレスが存在していません」というエラーのせいで送れませんでした。


やむなく、Business Chatを利用して、Apple Cardの発行元であるゴールドマン・サックスに連絡したところ、ようやく「3~5日後にアカウントの凍結を解除します」という連絡がカーティス氏に届いたそうです。

この経験からカーティス氏は、「Apple Cardでの料金請求はAppleの他の支払いと扱いは全く違うらしく、それが深刻な結果を招く危険性があります」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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