クリエイター向けのパトロンサービスを悪用して活動実績ゼロなのに収益を得る方法とは?
投資やプログラミングなどに関する事柄を記したブログ・Lucas03の中で、「YouTuberが動画に貼り付けたパトロンサービス・Patreonのリンク」を悪用し、実際には何の活動もしていないのに収益を得る方法が解説されています。
How I exploited existing youtube videos with a fake Patreon profile | Lucas03
https://www.lucas03.com/how-i-exploited-existing-youtube-videos-with-a-fake-patreon-profile/
普段から投資関連のYouTubeムービーをよく見るという筆者は、2017年に「DrUnlimited」というチャンネルが投稿したあるムービーの概要欄に、Patreonへのリンクが貼られていることに気がつきました。リンクが無効になっており、最近のムービーにはリンクが貼られていないことから、筆者は「DrUnlimitedは一度Patreonを試してみたものの、すぐにあきらめたのだろう」と考えました。
DrUnlimitedが最後にムービーを投稿したのは11カ月前のことであり、おそらくYouTubeチャンネルも放棄されたのだろうと筆者は考えました。DrUnlimitedのチャンネル登録者数は約10万3000人であり、今後もこのPatreonリンクをクリックする人物が現れるかもしれないと推測した筆者は、「これは悪用できるのではないか」とひらめいたとのこと。
そこで筆者はPatreonのアカウントを作成し、DrUnlimitedのムービーに貼られていたPatreonへのリンクと同じURLとなる、新たなPatreonページを開設しました。実際に筆者が作成したPatreonページはこんな感じ。筆者はこれまでPatreonを使ったことはなかったそうですが、YouTubeチャンネルの画像などを流用してシンプルなページを作成しました。
筆者はメンバーシップとして月額3ユーロ(約380円)のプランを用意し……
説明欄には「これはPatreonがどのように動作するのか、公開に何が必要なのかを確かめるためのテストです」と記しました。ページ全体を作成するのにかかった時間はわずか30分以内だったそうで、2021年1月31日からページの公開を始めたとのこと。
筆者は積極的に誰かをだましたり誘い込んだりする手法は採用しなかったものの、Patreonページの開設から2週間後の2021年2月13日、支援者がメンバーシップに登録したことを通知するメールが届きました。
「この詐欺的な戦術がいかに簡単に機能するのかを考えさせられました」と筆者は述べ、YouTuberが放棄したまま概要欄に残されているPatreonへのリンクを悪用すれば、短時間で雑に作ったページでも毎月の収益を得られると指摘。なお、筆者は6年間にわたり投資のポートフォリオトラッカー・Digrinを開発してきましたが、有料会員はわずか数名だそうです。
もし、YouTuberが放棄したPatreonへのリンクを探してPatreonページを作成することに注力すれば、かなり有益なビジネスモデルになる可能性があります。しかし筆者は、Patreonのシステムを悪用することは利用規約に違反している可能性があるだけでなく、「コンテンツクリエイターに寄生して、人をだましてお金を稼ぎたくありません」と述べ、この手法を全世界に公開することにしました。
筆者はすでにテストのために作成したPatreonページを閉鎖し、メンバーシップの登録者に対して返金手続きを行ったとのことで、「Patreonがページのリサイクルをブロックすることを願っています」と述べています。
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