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人類最古の文字「楔形文字」の書き方


世界最古の文明であり、世界四大文明のひとつとされるメソポタミア文明は、現在のイラクの一部で栄えた文明とされています。そんなメソポタミア文明で3000年以上にわたり使用されてきたという人類最古の文字「楔形文字(くさび形文字)」の書き方を、大英博物館が解説しています。

How to write cuneiform – The British Museum Blog
https://blog.britishmuseum.org/how-to-write-cuneiform/

楔形文字は紀元前3400年頃から西暦100年頃まで、3000年以上にわたり使用されてきたという文字。もともとはメソポタミア文明で広く使用された文字でしたが、その後、近隣民族に使用されるようになり、アッカド・バビロニア・エラム・ヒッタイト・アッシリアといった地域で固有の言語を書くために用いられるようになりました。楔形文字で書かれる主要な言語はシュメール語アッカド語の2つが挙げられますが、ラテン語の姉妹言語であるヒッタイト語を含む12の言語も楔形文字で書かれています。

世界最古の物語のひとつであり、メソポタミア文明の伝説的な王として知られるギルガメシュの英雄譚でもある「ギルガメシュ叙事詩」が書かれた粘土板も、楔形文字で書かれています。


なお、楔形文字はメソポタミアでパンやビールの配給量を記す簿記をまとめる筆記者が開発した文字とされています。

現代の世界で広く使用されているアルファベットは表音文字と呼ばれており、一文字ごとに母音あるいは子音を表現します。一方で、楔形文字は一つの文字で母音と子音をまとめた音節を表す音節文字です。そのため、アルファベットでは猫は「cat」という3文字で書きますが、楔形文字の場合は「ca」と「at」を表す2文字で書くことができます。

そんな各楔形文字と音節のつながりをまとめたチャートを、大英博物館で楔形文字に関する所蔵品をまとめるアーヴィング・フィンケル氏とジョナサン・テイラー氏が作成しています。チャートの一部を抜き出したものが以下。


なお、チャートの完全版はフィンケル氏とテイラー氏による書籍「Cuneiform(楔形文字)」にまとめられています。


楔形文字は主に粘土板の上に刻むように書き込まれているものですが、実際に粘土上に自分の手で楔形文字を彫るのは非常に難しいもの。大英博物館はフィンケル氏による「棒と粘土を使った楔形文字の書き方」をムービー形式でYouTube上に公開しているので、「実際に楔形文字を書くなら粘土板にかぎる」というこだわり派の人はチェックしてみてください。

Irving Finkel teaches how to write cuneiform I Curator's Corner Season 4 Episode 8 #CuratorsCorner - YouTube

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in メモ,   動画, Posted by logu_ii

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