Appleが広告トラッキングを制限するためのポップアップ表示をiOS 14.4のベータ版でテスト
iOS 14.4の開発者向けベータ版でアプリを実行した場合には「広告トラッキングを許可/拒否するポップアップ」が表示されることがわかりました。この新仕様はiOSのプライバシー面を強化するというAppleの取り組みの一部だとみられています。
Apple's New Privacy-Focused Tracking Prompt Begins Appearing for iOS 14 Users [Updated] - MacRumors
https://www.macrumors.com/2020/12/23/ios-14-4-beta-app-tracking-prompt/
Some iOS 14 users now seeing Apple's new tracking pop up, full rollout expected in early 2021 - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2020/12/23/ios-14-tracking-prompt-rollout/
Appleは広告企業などによるユーザーデータの使用がプライバシーの侵害にあたるとして、iOS 14以降の端末で「ユーザーが許可しない限り広告識別子のIDFAを広告企業が使用することができないように、プライバシーポリシーを改訂する」として、プライバシー面の強化を掲げてきました。
新たにiOS 14.4の開発者向けベータ版に実装された新仕様は、特定のアプリを実行した際に「広告トラッキングを許可/拒否するポップアップ」が表示されるというもの。実際のポップアップが以下で、アプリ起動時に「このアプリケーションに他のアプリやウェブサイトなどでもアクティビティをトラッキングできるようにしますか?トラッキングにより得られたデータはパーソナライズされたより良い体験のために使われます」という問いかけと「トラッキングを許可しない」「許可する」という2つの選択肢が表示されることがわかります。さらに、ポップアップによって許可/拒否を選んだアプリは「設定」の「プライバシー」から管理も可能とのこと。
Appleはこの広告トラッキングに関する新仕様を2020年9月に実装する予定でしたが、広告関連企業からの反発を受けてリリース時期を一時的に延期していました。iOS 14.4は2020年1月から2月にかけての公式リリースが予定されており、今回の新仕様もiOS 14.4に伴って実装される見込みです。
なお、FacebookはAppleの「Appleの広告トラッキングに関する仕様変更は小規模ビジネスに壊滅的な影響を与える」と主張しており、Appleのティム・クックCEOもこれに反論。電子フロンティア財団がApple支持を表明するなど、一連の論争は大きな注目を集めています。
電子フロンティア財団がApple対Facebookの広告トラッキングに関する仕様変更問題でApple側を支持しFacebookを痛烈に批判 - GIGAZINE
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