無料の宿泊場所をCOVID-19の最前線で戦う労働者のために提供する非営利団体をAirbnbが設立
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により旅行業界が大きな打撃を受ける中で、民泊サービスのAirbnbが新たに、災害被害者やCOVID-19の最前線で戦う労働者に無料で滞在場所を提供する非営利団体「Airbnb.org」を立ち上げました。
Airbnb.org
https://ja.airbnb.org/
Airbnb launches nonprofit to provide stays for essential workers and refugees - The Verge
https://www.theverge.com/2020/12/7/22158434/airbnb-nonprofit-essential-workers-coronavirus-refugees
Airbnbは2012年にハリケーン「サンディ」が発生した時を始めとし、ハリケーンや森林火災など災害被害者のために滞在場所を提供する試みを実施しており、2020年初めのCOVID-19が猛威を振るいだした時にも、自宅隔離者や医療従事者のための無料滞在場所を提供するプログラムを打ち出しました。同社によると、これまでにプログラムを通じて10万人以上のホストが宿泊場所を提供しているとのこと。Airbnb.orgはこれまでに実施された個々の取り組みを包括するものとなっています。
Airbnbによると、無料滞在場所を提供したり、Airbnb.orgに定期的に寄付を行うAirbnbホストには「助けを必要とするコミュニティへのコミットメントと寛大さを示すために」特別なバッジが与えられるとのこと。また、ニュースサイトのThe Vergeが「ホストが負担した費用はAirbnbが返済するのか」と尋ねられたAirbnbの広報担当者は「ホストは無料または割り引きされた滞在を提供するかどうか選択でき、それらは現物寄付とみなされます」と返したとのこと。なお、アメリカではNPOの活動に対してさまざまな税制上の優遇措置が認められており、寄付額は税額計算上、控除されることになっています。
Airbnb.orgは今後、赤十字社や国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)、Community Organized Relief Effort(CORE)などと連携して活動を行っていく見込み。今後2年間でIFRCのスタッフがCOVID-19と戦うことを支援するために100万ドル(約1億円)、COREが行うCOVID-19検査とワクチン配布のために100万ドルを提供すると約束しています。
なお、COVID-19の流行で多くの旅行業者が打撃を受けており、Airbnbは2020年3月に予約をキャンセルしたゲストに返金を行うという形でキャンセルポリシーを変更しましたが、この変更によりホスト側に損失が発生したため、「ポリシー変更は契約違反だ」と主張するホストの集団訴訟に直面しています。
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