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世界最大級のビジネス特化SNS「LinkedIn」の抱える数々の問題点とは?


「LinkedIn」は、ユーザー登録数が7億人を超える世界最大級のビジネス特化型SNSです。そんなLinkedInには「機能が意図した使われ方をしていない」というアプリの設計面での問題や、「差別的発言の温床となっている」といった仕様上の問題が多く存在すると、タスク管理アプリ「Todoist」を開発するDoistのマーケティングマネージャーであるFadeke Adegbuyi氏が指摘しています。

LinkedIn’s Alternate Universe - Divinations
https://divinations.substack.com/p/linkedins-alternate-universe

LinkedInには、短いムービーを短期間だけ共有するInstagramの「ストーリー」や、Twitterの「フリート」のような機能「LinkedInストーリーズ」があります。LinkedInは「LinkedInストーリーズ」を使って、日常生活におけるプロフェッショナルな場面をシェアすることを想定していますが、「LinkedInストーリーズ」はスマホアプリ版のLinkedInでしか利用できません。多くのユーザーはPCやMacでブラウザ版のLinkedInを利用しているため、「LinkedInストーリーズ」機能を利用している人はほとんどいないとAdegbuyi氏は語ります。

また、LinkedInには自分の名前の発音を録音してプロフィールに表示する機能がありますが、この機能も「LinkedInストーリーズ」と同様にほとんど使われていないばかりか、音楽の一部を切り抜いたものが登録されたり、自分の名前だけでなく自己アピールまで録音したりと、LinkedInの意図しない使い方がされています。

name pronunciation pic.twitter.com/vLbpi1gxsN

— jeff ☃️ (@jeffistyping)


そして、Twitterなどと異なり本名・勤務先・居住地といった情報が公開されているLinkedInでは、ユーザーが発言に慎重になるように思えますが、実際には差別的発言や過激な発言など、投稿者が自分の社会的地位を下げるような内容を公開するケースも多々あるとのこと。さらに、他のユーザーにメッセージを送るInMail機能によって、商品のセールスや、ビジネススクールの勧誘が大量に届くだけでなく、セクハラのようなメッセージが届いたり、LinkedInを出会い系サイトのように利用する人からデートの誘いが届いたりすることもあります。


Adegbuyi氏はLinkedInの最も奇妙な点は、その機能ではなく、人気ユーザーの職種だと指摘しています。Twitterではコメディアンや有名人が人気で、Instagramでは写真家やインフルエンサーが人気といったように、SNSにはサービスごとに影響力のある職種が異なりますが、LinkedInで最も影響力を持つ職種は企業の採用担当者であるとのこと。企業において人事権限を持つ採用担当者たちは、ビジネス特化型SNSのLinkedInでは自らが救世主であるかのように振る舞い、「経験のない将来有望な10代の若者を雇った」「シングルマザーに家族を養う機会を与えた」といったストーリーをタイムラインに投稿しています。さらに、その投稿に数万もの肯定的なコメントが付くことも珍しくないそうです。

LinkedInはシンプルな履歴書のようなサービスとしてスタートしましたが、記事作成時点では使わない機能や、正しく使われていない機能が多く存在しています。しかし、LinkedInで自分のプロフィールを公開することが就職や転職の役に立つことも事実であり、Adegbuyi氏は「人々は仕事を失う可能性や、転職の可能性を考えて『念のために』LinkedInを使い続けるでしょう」と締めくくっています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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