メモ

タスクの優先順位を4つに分けて管理する「アイゼンハワー・マトリクス」とは?


仕事や日常生活で発生する数々のタスクを処理するための方法はいくつかあります。その中で、タスクを「重要かつ緊急」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「重要でも緊急でもない」の4つに分ける方法が「アイゼンハワー・マトリクス」です。

The Eisenhower Matrix: Introduction & 3-Minute Video Tutorial
https://www.eisenhower.me/eisenhower-matrix/

「アイゼンハワー・マトリクス」という名称は、アメリカ合衆国の第34代大統領だったドワイト・D・アイゼンハワーが「私が抱える問題には『緊急』と『重要』の2種類ある。『緊急』のものは『重要』ではなく、『重要』なものは決して『緊急』ではない」という演説を行ったことに由来します。この演説は1954年にノースウエスタン大学で開催された世界教会協議会の第2回総会でのもので、該当する言葉はノースウエスタン大学の学長だったJ・ロスコー・ミラー博士の言葉を引用する形で述べられています。

「アイゼンハワー・マトリクス」を図示するとこんな感じ。それぞれのマトリクスに振り分けたタスクを左上→右上→左下→右下の順に処理していきます。



◆「緊急」と「重要」の違い
「緊急」は、タスクに早急な対応が必要であることを意味します。これらは「今」やるべきこと。緊急のタスクは何よりも優先して処理される必要があります。

一方で「重要」は、長期的に見て達成した方がよい目標・使命などのことを指します。通常、「重要」タスクはゆっくり時間をかけてこなすもので、達成すれば新たな可能性が広がるようなものもあります。

◆実際にどう振り分けるのか
1:重要かつ緊急
これには即時に対処しなければいけないものを振り分けます。たとえば必ず守らなければならない締め切り直前のタスクや重要なメール、泣いている赤ん坊をあやすことやトイレの詰まりを直すことなどがあげられます。これらの問題は常に発生し、常に対処する必要があるため、少しでも負担を減らしたり、なるべく素早く対処することが大切です。赤ん坊をあやす方法を事前にいくつか用意しておけばなにもしないよりマシですし、締め切り直前のタスクは毎日少しずつこなしていれば余裕を持てたかもしれません。

2:重要だが緊急でない
優先順位が2番目の「重要だが緊急ではない」には「長期的に対処できる」「期日が設けられていない、あるいは先のもの」を振り分けます。たとえば1か月後の会議に向けた書類作成や長期的な計画の遂行、個人的なものであればエクササイズ、趣味、自分の将来を有意義にするための活動全般などが入ります。本来は、タスク消化時間の多くをこの「重要だが緊急ではない」タスクの消化に費やすべきなのですが、本来は優先順位の低い「緊急」のタスクを優先してしまって、「『重要だが緊急ではない』タスクは後でやればいい」と考えてしまいがちです。こうした事態を回避するためには「1日のうち決まった時間は必ずこなしていく」「緊急のタスクが本当に緊急なのか再考する」ことなどを行う必要があります。

3:重要でないが緊急
突然かかってきた電話や、同僚から急に頼まれた仕事などは、重要性は低いものの早めに対処する必要があるため、「重要ではないが緊急」に振り分けられます。「緊急」なので、多くの人はこのタスクを優先しがちですが、時間を取られてしまって「重要」タスクがこなせなくなっては意味がありません。ここに分類されるタスクは、他人に割り振ったり、あるいは細分化してその中から本当に重要な部分を「重要かつ緊急」に振り分けたり、時には最初から「ノー」ということも大切です。

4:重要でも緊急でもない
「重要」でも「緊急」でもないということは、大したことではないタスクであり、やらなくてもいいようなタスクだということです。しかし、こうした「無駄なこと」「時間つぶし」に時間を費やしてしまいがちです。他の3種類のタスクをやらないことの言い訳になってしまっているので、費やす時間はできるだけ減らすよう心がける必要があります。

それぞれに割り振る法則を理解したら、まずはやるべきタスクを書き出し、「重要なもの」と「重要ではないもの」に分けていきます。重要なもので期日が差し迫っているものは「重要かつ緊急」に、「重要」のうち期日が遠いものは「重要だが緊急ではない」に振り分けます。「重要ではないけれど、しなければならない」ほど悩むタスクであれば「重要ではないが緊急」に、残ったものはすべて「重要でも緊急でもない」に振り分けます。振り分けは自らの直感に従って行い、他人に行わせないようにします。またそれぞれにタスクを詰め込みすぎないようにすること、仕事とプライベートのタスクを一緒に管理し「今日は何かを達成した」という満足感を抱きやすくすることも大切です。

◆まとめ
重要かつ緊急:このタスクを達成したら、再び同じ問題が起こった時にどのように対処するべきかを考える必要があります。
重要だが緊急ではない:緊急ではありませんが、利用可能な時間はできるだけこのタスクに費やす必要があります。
重要ではないが緊急:可能な限り避けるべきタスクですが、他のタスクを中断して処理しなければならな場合は、可及的速やかに処理します。
重要でも緊急でもない:このタスクに多くの時間を費やしている場合はただちに中断し、なるべく「重要だが緊急ではない」タスクの処理に移ります。

使える時間のうち、少なくとも80%を使って「重要だが緊急ではない」タスクを処理するという目標を立て、残り20%で「重要かつ緊急」と「重要ではないが緊急」を処理します。ToDoリストに項目を追加するときは、常にアイゼンハワー・マトリクスを使用し、それが「重要」かどうか、「緊急」かどうか、常に確かめることが大切です。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ToDoリストがあなたの生産性を破壊する - GIGAZINE

やるべきことをリスト化したTODOをきちんと消化するための4つのコツ - GIGAZINE

女の子がボイス付きで一緒になってタスクを管理してくれる「Todo Girl」 - GIGAZINE

リンカーンからトランプまで共和党は160年かけてどのように変化してきたのか? - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.