サイエンス

幸福度を下げずにFacebookやTwitterを使うにはどうすればいいのか?


FacebookやTwitter、Instagramといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は、今や多くの人が社会生活を送る上で欠かせないツールとなっています。そんなSNSと上手に付き合う方法が、ブリティッシュコロンビア大学の心理学者らが発表した論文により判明しました。

How and Why Social Media Affect Subjective Well-Being: Multi-Site Use and Social Comparison as Predictors of Change Across Time | SpringerLink
https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-020-00291-z

UBCO study says it’s not if, but how people use social media that impacts their well-being
https://news.ok.ubc.ca/2020/11/02/ubco-study-says-its-not-if-but-how-people-use-social-media-that-impacts-their-well-being/

Is Social Media Making Your Patients Unhappy? | Psychiatric Times
https://www.psychiatrictimes.com/view/is-social-media-making-your-patients-unhappy

過去の研究では、「SNSのやりすぎはメンタルヘルスのリスクを最大78%も高める」という結果が得られた一方で、「スマホやSNSを使いまくっても10代のメンタルヘルスは悪化しない」とする研究結果が報告されるなど、SNSがメンタルヘルスに及ぼす影響にはさまざまな議論があります。

スマホやSNSを使いまくっても10代のメンタルヘルスは悪化しないという研究結果 - GIGAZINE


そこで、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学で心理学を研究しているデリック・ワーツ氏らの研究チームは、大学生を対象にFacebook・Twitter・Instagramの3つのSNSをどのように使っているのかや、その利用形態が幸福感にどのような影響を与えているかを調査しました。

研究チームはまず、Facebookの使い方を「ニュースフィードのチェック」「メッセージのやりとり」「世界のニュースを見る」「投稿や画像のアップロード」の4つに分けて、それぞれの使用頻度を調べました。その結果、最も多いFacebookの使い方は「ニュースサイトを受動的にチェックする」ことでした。さらに、参加者から得られた幸福感についての報告でも、「ニュースフィードのチェック中が最も幸福感への悪影響が強い」という結果になったとのことです。

ワーツ氏はこの調査結果について、「ニュースフィードで友だちや親戚など他者のポジティブな側面が強調された写真や投稿を見ると、その人が実際にどれだけネガティブな経験をしているかが見えなくなります。その結果、ポジティブな出来事とネガティブな出来事が混在している自分の人生は、他の人に比べて良くないと結論付けられてしまうと考えられます」と述べて、「他者との比較」が幸福感を低下させたとの見方を示しました。


研究チームは、FacebookだけでなくTwitterやInstagramでも同様の調査を実施しましたが、3つのSNSの全てで「漫然と他の人の投稿や写真を見るような使い方は、自分と他者とを比較することにつながり、最終的に幸福度が低下する」という結果になったとのことです。一方、研究チームが対面や電話での交流の影響を調べたところ、「対面や電話での交流はSNSでの交流とは逆に幸福感を増加させる」ことも判明しました。

こうした結果から研究チームは、精神面への悪影響を最小限にしつつSNSを活用する方法を、以下の4つにまとめました。

・漫然とニュースフィードをスクロールするような使い方は避ける。
・自分と他の人を比較しない。
・友人や家族とオフラインで会ったり、オンラインで同期して話すツールや電話を活用したりして、できるだけ直接的な交流をする。
・可能な限り日常生活でのSNSの使用量を減らす。

ワーツ氏は、「私たちが上記の点に気をつけてSNSを使えば、ネガティブな影響を減らせるばかりか、幸福感を向上させることができる可能性もあります。要するに、覚えておく必要があるのは『SNSがいいか悪いか』ではなく、『SNSをどう使うかが幸福への影響を決める鍵』だということです」と結論付けました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
20%以上の若者が1日3時間以上SNSを使用、SNS中毒者はメンタルヘルスのリスクが最大78%も高くなるという研究結果 - GIGAZINE

SNSで精神障害が話題になると精神科を受診する人が15%増えることが判明 - GIGAZINE

スマホやSNSを使いまくっても10代のメンタルヘルスは悪化しないという研究結果 - GIGAZINE

最もメンタルヘルスに悪いアプリは「Instagram」 - GIGAZINE

人気ソーシャルメディアの若者のメンタルヘルスへの影響調査、最高なのはYouTubeで最悪なのはInstagram - GIGAZINE

SNSは10代のメンタルヘルスに悪影響を与える、ただしその影響は男女で異なる - GIGAZINE

長時間ソーシャルメディアを利用する若者は不健康な睡眠をしているという研究結果 - GIGAZINE

SNSを1年やめてみて何が変わったのか、という実際の記録 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article How can I use Facebook and Twitter witho….