サイエンス

長時間ソーシャルメディアを利用する若者は不健康な睡眠をしているという研究結果

By halfpoint

イギリス・グラスゴー大学の研究チームが「SNSやブログ、掲示板などのソーシャルメディアに1日3時間以上費す若者は、睡眠に関する問題を抱えやすい」と発表しました。

3+ hours daily social media use linked to poor sleep patterns in UK teens | BMJ Open
https://blogs.bmj.com/bmjopen/2019/10/22/3-hours-daily-social-media-use-linked-to-poor-sleep-patterns-in-uk-teens/

ソーシャルメディアが10代の若者に対して与える影響を調べるため、研究チームはイギリスで2000年と2001年に生まれた子どもたちを縦断的に調査する「ミレニアムコホート研究」のデータを分析するという研究を行いました。分析に使用されたデータは、13歳から15歳までの被験者1万1872人分の「ソーシャルメディアの利用時間」と「睡眠時間」や「入眠までに要した時間」「中途覚醒の回数」などの睡眠習慣に関する自己申告です。

By PaulSchlemmer

収集されたデータでは、ソーシャルメディアに費やす1日あたりの時間について、全被験者のうち約33.7%が「1時間未満」、31.6%が「1時間以上3時間未満」、14%が「3時間から5時間」、20.7%が「5時間以上」とそれぞれ回答しました。

家庭環境や本人の肉体的・精神的な健康を考慮に入れた上で被験者の睡眠習慣を分析したところ、長時間ソーシャルメディアを利用していた被験者は平日には夜11時以降、休日には夜12時以降に眠りに就く確率が70%も高くなると判明。被験者の年齢が13歳から15歳であることを考えると、かなり遅い入眠時刻だといえます。


以下の記事は、10代の少年少女の脳は発達段階にあるため、最大限に健康になるためには8時間から10時間の睡眠時間が必要という研究結果を報じています。

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by AndrewExtra

入眠時刻の遅さに加えて、長時間ソーシャルメディアを利用していた被験者は平日午前8時以降に目が覚める傾向があることもわかっています。影響が出るのは睡眠時間だけではありません。5時間以上ソーシャルメディアを使用していた被験者は、「夜中に目が覚めて、再度眠れない」という中途覚醒の問題を抱える割合が高かったとのこと。

また、分析の結果、女子は男子よりもソーシャルメディアに費やす時間が長く、睡眠の質が低いと報告する割合が高いこともわかったそうです。

By NomadSoul1

この研究を報じたオープンアクセスジャーナルのBMJ Openは、「この研究は観察研究であるため、因果関係を特定することは不可能です。さらに、あくまで自己申告によるデータが元になっているため、完全に正確であるとはいえません」と指摘しています。その一方で、研究チームは「本研究は、ソーシャルメディアが思春期の少年少女に与える影響に関する厳密かつ有意義な証拠です」と述べています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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