ソフトウェア

Facebookがオープンソースのプロジェクトをうっかり乗っ取ってしまう


Facebookが開発を進める「React Native」のリポジトリで利用されている「Label Actions」というアプリが、同名のオープンソースプロジェクトから無断で移植されたものだとオリジナル版の作者が訴えています。

Facebook has taken the name of my open source project · Issue #30395 · facebook/react-native · GitHub
https://github.com/facebook/react-native/issues/30395

Label Actionsは、ユーザーからのバグ報告やコードの修正を依頼するプルリクエストに対してラベルを付けるだけであらかじめ決めておいたアクションを自動で実行してくれるというオープンソースのGitHubアプリ。React Nativeのリポジトリでは、バグ報告用の場所に使い方の質問が書き込まれた際に「Q&Aサイトで聞いて」とタグ付けしたり、アップデートで既に修正済みのバグが報告された時に「最新バージョンを使って」とタグ付けすることでbotがテンプレートを応答してくれるような使い方がされており、リポジトリを管理しているメンテナたちの負担を減らしています。

そのLabel Actionsについて、2020年4月にFacebookの社員がほとんど同じ機能を持った同名のコピーアプリを開発し、React Nativeで使われていたLabel Actionsもコピー版の方に移行していることをオリジナル版の作者が発見。コピー版の方にはオリジナル版のクレジットが存在しなかったことから、「リスペクトが足りない」「おそらくオリジナル版のMITライセンスに違反している」と作者が批判しています。

また、コピー版のアプリは収益化可能なGitHubマーケットプレイスに「Label Actions」の名前を利用して登録されており、この点についても作者は「名前をハイジャックされた」「オリジナル版のプロジェクトが寄付を受けづらくなる」と憤りを隠していません。


オリジナル版の作者の訴えから3時間後、コピー版を作成したFacebook社員から返答があり、それによると、コピー版はReact Native CIからGitHub Actionsへワークフローを移行中に、Label Actionsが後者に対応してないことに気付いたため、機能や設定方法が同じアプリを数時間で1から書き上げたという経緯で作成されたとのこと。また、オリジナル版のクレジットを記載したつもりだったが忘れてしまっていたと謝罪しています。

マーケットプレイスの件については、GitHub Actionsを使う時にマーケットプレイスに登録せざるを得なかったと弁明。コピー版の方は名前を変更し、「Label Actions」という名前をマーケットプレイスで使う権利はオリジナル版の作者へ返還すると述べたほか、オリジナル版がGitHub Actionsに対応している場合は再びオリジナル版を利用することを約束しました。

オリジナル版の作者はこれを受け入れており、和解の方向に進んでいます。

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in ソフトウェア, Posted by log1d_ts

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