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Appleのワイヤレスイヤホン「AirPods」をユーザーが自分の手で分解・修理することはできるのか?


YouTube上でさまざまなガジェットの分解・修理ムービーを公開してきたヒュー・ジェフリーさんが、ユーザーからの多くの要望に応える形で、Appleのワイヤレスイヤホンである「AirPods」を分解・修理する様子をムービーで公開しています。

Apple's "Disposable & UNFIXABLE" $250 AirPods - e-waste problem - YouTube


さまざまなスマートフォンやノートPCを自身の手で分解・修理し、その様子をYouTube上で公開してきたジェフリーさんは、AirPodsユーザーから「バッテリーを自分の手で修理することは可能ですか?」という質問を何度も受け取ってきたそうです。


そこで、ジェフリーさんは視聴者から提供された中古のAirPodsを、自身の手で分解・修理することができるかどうか検証しています。


まずは専用ケースと本体をきれいに掃除するところからスタート。ケースの清掃には綿棒と歯ブラシ、アルコール、ペーパータオルが使用されています。


同じようにAirPods本体も清掃。全体をペーパータオルでふいてから、スピーカー部分を綿棒できれいにします。


次に動作確認。問題なくiPhoneとペアリングできる模様。ただし、清掃にかかったわずかな時間の間にAirPodsおよび専用ケースのバッテリー残量は10%以上も低下していたそうで、バッテリーがかなり消耗した状態であることがわかります。


また、AirPodsのようなイヤホンはスピーカーグリル部分に耳垢がたまっているケースがあるそうです。


そこで、スピーカーグリルを取り外します。メッシュ状のスピーカーグリルにピンセットの先っぽを差し込み……


本体から強引に取り外します。


有線式のイヤホンの場合、構造が簡単であるためグリル内にたまったゴミが問題になることはないそうですが、ワイヤレスイヤホンの場合は時間の経過と共に内部にたまったゴミが故障の原因となる可能性があるとのこと。ジェフリーさんが分解したAirPodsの場合、ベトベトした粘着性の汚れが内部に多くたまっていました。


この汚れを綿棒で除去して、本体の清掃作業は終了。


というわけで、ここから本格的な分解作業がスタート。まずはAirPodsの専用ケースを分解します。専用ケースにネジなどは一切使われていないので、iFixitのツールキットに含まれている金属製のヘラを隙間部分に差し込みます。


ジェフリーさんによると、前面部分にヘラを差し込むことは簡単だったそうですが、側面部分に分解用のピック(青)を差し込むのは非常に困難だったそう。しかし、ヘラで開けた隙間に入れたスパッジャー(銀)がパーツの分解に大いに役立ったとのこと。


ヒートガンでケースを温めることで、内部の接着剤を溶かし……


最後はスパッジャーで強引に内部のパーツを引き出しました。そのため、プラスチック製のケースはスパッジャーを差し込んだ部分が変形してしまっています。


内部パーツはこんな感じのT字型。


さらに、ケース内部のバッテリーを取り外します。バッテリーはケース内部に接着剤でくっつけられています。


取り外すとこんな感じ。バッテリーは取り外し可能なケーブルでケースとつながっているので、交換可能。ただし、前述の通りケースからバッテリーを取り外す際にケースが一部破損します。


続いてAirPods本体を分解。こちらもまずはヒートガンで加熱して接着剤を溶かします。ジェフリーさんは接着剤を溶かすために約200度でAirPods本体を温めたそうですが、この温度だと「プラスチックが溶けだした」とのことで、「温める温度としては少し高すぎた」とジェフリーさんは述べています。


続いて継ぎ目部分にカッターを差し込みます。


そしてパカリ。AirPods本体のロジックボードを見ることが可能。


ロジックボード部分を分解していくと、「信じられないほど小さく、撮影することも困難なケーブルがバッテリーにつながっていることが確認できる」そうです。


というわけで、ロジックボードが収められている部分とは反対側から本体の分解を進めます。AirPodsの先っぽにある銀色のパーツ部分をヒートガンで熱し……


これをカッターで外します。


このパーツの奥にマイクなどのコンポーネントがあり、さらに奥にAirPodsのバッテリーがあります。


バッテリーはプラスチック製の筐体部分と接着剤でくっついているのでヒートガンで熱して……


ピンセットで強引にケース部分をはがしていきます。


取り外したバッテリーがコレ。ここまでの分解工程を見れば明らかなように、AirPodsのバッテリーをユーザーが自分で交換することは不可能なようです。


というわけで、ジェフリーさんは「AirPodsを自身の手で修理することは不可能です」と断言。


ケース部分は一部が破損しているものの通常通りに使用することができますが……


AirPodsのバッテリーを交換することは文字通り「不可能」です。


なお、ジェフリーさんによるとSamsungのGalaxy Budsは交換可能なバッテリーを持っているそうですが、こちらも一般ユーザーが自分で分解・交換するのは「非常に難しい」そうで、小さなサイズにテクノロジーの粋を集めたワイヤレスイヤホンはユーザーが自身の手で分解・修理するのが非常に困難なデバイスのようです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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