ネットサービス

Amazon・Google・GitHubなどのクラウドで静的ウェブサイトのホスティング性能を比較した結果が公開中、どのサービスが最も高パフォーマンスか?


サーバー上のデータを追加・変更することなく表示させる静的ウェブサイトは、動的なウェブアプリ開発が盛んになった今でもブログや自己紹介ページなどで利用されます。そんな静的ウェブサイトをホスティングできるクラウドサービスについて、エンジニアのXavier Decuyper氏が稼働時間や応答速度などを比較し、その結果を公開しています。

Static webhosting benchmark: AWS, Google, Firebase, Netlify, GitHub & Cloudflare | Savjee.be
https://www.savjee.be/2020/05/benchmarking-static-website-hosting-providers/

パフォーマンスの測定方法は、毎分1回HTTPS通信を各サービス上のウェブサイトと行い、その応答速度などを10日間記録するというもの。パフォーマンス測定にはPingdomOh Dearを用いたとのこと。今回Decuyper氏がパフォーマンスを比較したのは以下の9サービスです。

◆有料サービス
Amazon S3(eu-west-1リージョン)
Amazon CloudFront
Google Cloud Storage(europe-west1リージョン)
Google Cloud Storage(マルチリージョン)
Cloudflare Workers

◆基本無料サービス
Firebase Hosting
Cloudflare CDN
Netlify

◆無料サービス
GitHub Pages

Decuyper氏による静的ウェブサイトのホスティング性能を各クラウドで比較した結果が以下。

◆稼働時間
10日間に及ぶ調査の間、ダウンタイムが検知されたのはFirebaseのみだったとのこと。ただし、Pingdomが1分間Firebaseのダウンを検知したのに対し、Oh Dearの反応は無かったため、Decuyper氏はPingdom側の問題ではないかと疑っています。


◆応答速度
各サービスの応答速度の中央値、平均値、標準偏差をそれぞれ青、オレンジ、灰色の棒グラフで表したものが以下。左端のAWS CloudFrontのパフォーマンスが最も高く、続いて無料サービスのGitHub Pagesが好成績を収めています。Google Cloud Storageのパフォーマンスは単一リージョンでもマルチリージョンでもあまり差は無く、Cloudflareのサービスが予想よりも低パフォーマンスだとDecuyper氏は指摘。最もパフォーマンスが悪いAWS S3について、Decuyper氏は「単一リージョン」を理由として推測しています。


Pingdomの計測結果を青色で、Oh Dearの計測結果をオレンジ色で比較したグラフを見てみると、複数の場所から計測を行うPingdomの計測結果のほうが、単一の場所から計測を行うOh Dearの計測結果よりも全体的に遅いことがわかります。AWS S3のPingdomとOh Dearによる計測結果の差異が目立ちますが、これについてDecuyper氏は「AWS S3のeu-west-1リージョンとOh Dearの計測地点との相性がいい」ことを理由としています。


各サービスの初動の速度についてもDecuyper氏は調査を実施しています。TLS ハンドシェイクが始まるまでの時間をオレンジ色で、ウェブサイトの最初のデータを受け取るまでかかった時間を青色で表したグラフが以下で、Cloudflareのパフォーマンスが他のサービスに比べて悪いことがわかります。


また、応答速度の異常値をサービスごとに箱ひげ図でまとめたグラフが以下。CloudflareやGoogle Cloud、Netlifyで極端な異常値が確認できます。Decuyper氏は異常値について「サービス自身の問題というよりも、Pingdomの問題である可能性が高い」とコメントしています。


◆2017年の調査との比較
Decuyper氏は2017年にも今回と同じ調査を実施しており、2つの調査結果の比較が行われています。オレンジ色が2017年、青色が2020年の調査における各サービスの応答速度ですが、GitHub Pagesを除いてすべてのサービスの応答速度が低下してしまったという結果に。Decuyper氏はこの比較結果について「調査に利用したPingdomが測定サーバーを追加したため」であると分析しています。


今回の調査を踏まえ、Decuyper氏は静的ウェブサイトをホスティングする際のサービスとして、完全無料を希望する場合は「GitHub Pages」を、多少のコストがかかってもよい場合は「AWS CloudFront」を推奨。AWS CloudFrontはネットワーク帯域の利用量によって料金が発生してしまいますが、個人のウェブサイトであれば月額数百円程度で済むとのこと。Decuyper氏による調査データはCSVファイルでGitHubに公開されています。

GitHub - Savjee/static-website-hosting-benchmark
https://github.com/Savjee/static-website-hosting-benchmark

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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