刑務所で童謡「サメのかぞく」をループ再生で聞かせる拷問をしたとして元看守が起訴される
by Pinkfong! Kids' Songs & Stories
2020年10月5日に、アメリカのオクラホマ郡刑務所に勤務していた元刑務官ら3人が、「受刑者への残虐行為の罪」で起訴されました。訴状によると、3人の元刑務官らは受刑者を手錠で拘束した上で、子ども向けの歌である「サメのかぞく」をループ再生で聞かせていたということです。
"Baby Shark" kid's song used to bully jail inmates, DA says
https://oklahoman.com/article/5673248/baby-shark-kids-song-used-to-bully-jail-inmates-da-says
'Baby Shark' Used as 'Inhuman' Punishment in County Jail, Investigation Finds
https://www.vice.com/en/article/m7j8da/baby-shark-oklahoma-county-jail
オクラホマ州の地元紙The Oklahomanが10月6日に、「オクラホマ郡刑務所の受刑者が、人気の子どもの歌『サメのかぞく』を大音量かつ長時間ループで聞くことを強制されていたことが調査で判明し、2人の元刑務官とその監督者が昨日起訴されました」と報じました。
被告人はグレゴリー・コーネル・バトラー・ジュニア氏(21歳)、クリスチャン・チャールズ・マイルズ氏(21歳)、クリストファー・レイモンド・ヘンダーショット氏(50歳)の3人です。3人はいずれも、2019年12月末までに辞任もしくは退職しました。
訴状によると、3人は2019年の11月から12月にかけて、少なくとも4人の受刑者に対して「非人道的」な懲罰を行っていたとのこと。また、刑務所の弁護士面会室に入れられた受刑者らは、歌を聴かされている間中ずっと立ったまま手錠で拘束され、壁から動けないようにされていたことも捜査で判明。刑務所の監視映像から、一部の受刑者に対する懲罰は2時間にも及んでいたことが分かっています。
なお、拷問に使用された「サメのかぞく」は、以下のムービーで聞くことができます。
Baby Shark Dance | Sing and Dance! | @Baby Shark Official | PINKFONG Songs for Children - YouTube
「サメのかぞく」には日本語版もあります。
サメのかぞく | ちびザメ | Baby Shark 日本語 | どうぶつのうた | ピンクフォン童謡 - YouTube
IT系ニュースサイトのThe Viceは「キュートでキャッチーな曲だからといって、曲を使った拷問が残酷ではないということではありません。ナチスの強制収容所や、アメリカ軍のアブグレイブ刑務所やグァンタナモ米軍基地でも、同様の戦略が使われました」と指摘しています。
3人の被告人を「受刑者への残虐行為と共謀の罪」で起訴したオクラホマ州地方検事のDavid Prater氏は、「事実に沿うような重罪を規定した法令を見つけられなかったのは残念です。このような行為については、もっと重い罪に問いたいと思いました」と述べて、州議会に対し法改正の必要性を訴えました。
オクラホマ郡保安官のP・D・テイラー氏によると、被告人の1人であるマイルズ氏は、同氏とバトラー氏が組織的に弁護士面会室を使用したのは「刑務所内での懲罰処分が受刑者の行いを正すことができていないからだ」と宣誓供述書の中で述べているとのこと。また、バトラー氏は「2人の間で、音楽はジョークと言われていた」と供述しているそうです。
2人の刑務官を監督する立場にあったヘンダーショット氏は、2019年11月23日に虐待の事実を知りましたが、すみやかに刑務官の行為をやめさせたり、被害者を保護したりしませんでした。
テイラー氏はThe Oklahomanに対し、「我々はこのような虐待行為を容認しません。私たちは、常に自分たちを律して素晴らしい仕事をしてきたはずです」と話しました。
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