生き物

「くすぐられるのが好きではないラットもいる」と科学者が新たに報告


ラットはくすぐられると喜び、人間の耳には聞こえないほど高周波で「笑い声」を上げることで知られています。しかし、これまでの知見に反して、「くすぐられるのが好きではないラットもいる」とイギリスのブリストル大学の研究チームが新たに報告しました。

Rat 50 kHz calls reflect graded tickling-induced positive emotion - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0960982220312288

September: Rats emotional response | News and features | University of Bristol
https://www.bristol.ac.uk/news/2020/september/rats-emotion.html

Not all rats like to be tickled, scientists discover - CNET
https://www.cnet.com/news/not-all-rats-like-to-be-tickled-scientists-discover/

2016年にドイツ・フンボルト大学の生物学者らはラットの脳に細いワイヤーを挿入してニューロンの活動を測定しながらくすぐるという実験を行い、「ラットはくすぐられると高周波で笑う」ということを実証しました。この実験中には、くすぐられたラットがくすぐられることを求めて研究員の手を追いかけるケースもみられました。

Eavesdrop on Ultrasonic Rat Giggles - YouTube


しかし、ブリストル大学の研究チームは、新たな実験で「くすぐられるのが好きではないラット」の存在を示しました。この新たな実験は「ラットを実際にくすぐってみて反応を測定する」というもので、研究チームは抗うつ剤などの動物実験で効果測定のために用いられる「Affective Bias Test(感情的バイアステスト)」という感情に関する評価基準によって、くすぐられたラットの反応を測定しました。

この感情的バイアステストの結果、「くすぐった際にラットが上げる笑い声は、ラットの喜び度合いを正確に反映している」ことが判明。最も笑い声を上げたラットはくすぐりに対して最も肯定的な感情を示し、笑い声を上げなかった個体はくすぐりを楽しんでいないことがわかったとのこと。


今回の研究を主導したブリストル大学のエマ・ロビンソン教授は「ラットがくすぐられた際に発する笑い声は、ラットの感情的な経験を正確に反映する、手軽に測定できる指標です。笑い声から測定できるラットの感情は、くすぐり時以外の場合でも同様であると考えられるため、ラットの笑い声から実験室のラットの福祉を改善することができます」とコメントしています。

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in 生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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