「デバイスに自社アプリだけをプリインストールしてはいけない」などGAFAに対する強力な規制をEUが検討中
支配的な市場を形成しているIT企業であるGoogle、Apple、Facebook、Amazon、通称GAFAなどに対して、EUが「オンライン検索エンジンは自社サービスを優先的に表示してはいけない」「デバイスに自社アプリケーションのみをプリインストールしてはいけない」といった強力な規制を検討していることが新たに判明しました。
Big Tech Faces Ban From Favoring Own Services Under EU Rules - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-30/big-tech-faces-ban-from-favoring-own-services-under-eu-rules
U.S. tech giants face curbs on data sharing, digital marketplaces, under draft EU rules | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-eu-tech-antitrust-idUSKBN26L293
巨大IT企業はそれぞれ市場を制圧するほど大きなプラットフォームを有しており、各社の決定は大きな影響力を持っています。こうした状況について、EUは競争可能性や公平性を欠き、他企業の市場参入を妨げるとして、巨大IT企業各社に「独占禁止法違反」という判決を再三下してきました。
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by Rob Bulmahn
こうした巨大IT企業の独占を打破するためにEUが推し進めているのが、インターネット上のプラットフォームの規制に関する枠組み「Digital Services Act(デジタルサービス法)」です。デジタルサービス法は2020年内の採択を目指して推し進められている最中で正式発表されていませんが、Bloombergやロイター通信などの報道機関が検討中の草案を入手しました。
この草案によると、EUでは「オンライン検索エンジンは自社サービスを優先的に表示してはいけない」「デバイスに自社アプリケーションのみをプリインストールしてはいけない」「アプリのアンインストールを制限してはいけない」「自社プラットフォームで収集したデータはライバル企業と共有しない限りターゲティング広告などに活用してはいけない」「広告サービスを提供するプラットフォームは年に1回広告指標の監査を受けなければならない」といった規制が具体的に検討されているとのこと。
草案の中には、「他の企業が顧客と取引する際に依存せざるを得ないデジタルプラットフォームに存在する『不公正な動きが抑制される』ことが望まれる」という文章や、ポリシーオプションという項に、マーケットプレイス・アプリストア・ソーシャルネットワーク・オンライン検索エンジン・OS・クラウドサービスなどの各分野において不公正なやり口を強いているプラットフォームのブラックリストが記されているそうです。
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