Amazonは少数派民族やトランスジェンダーなどの社内グループのメールを監視している
Amazon従業員が少数派民族やトランスジェンダーなどの社内グループのメーリングリストが監視されていると明かしました。Amazonの広報担当者は監視を認めた上で、「エンプロイーエクスペリエンスの向上のため監視を行っている」と説明しています。
Amazon Employee Warns Internal Groups They’re Being Monitored For Labor Organizing
https://www.vice.com/en_us/article/m7jz7b/amazon-employee-warns-internal-groups-theyre-being-monitored-for-labor-organizing
Amazonによる社内メールの監視を明かしたのは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の従業員。この従業員は、Amazon社内における先住民のメールグループ「[email protected]」やトランスジェンダーのメールグループ「[email protected]」に対して、これらのメールグループが「明示的な監視対象」になっていると通達しました。
同従業員によると、監視対象となっているメールグループには、「[email protected]」や「[email protected]」の他にも、Amazonが保有する技術に関する説明責任や透明性を求めるグループや、新型コロナウイルスのボランティアグループ、黒人・アラブ系・ペルシャ系・コロンビア系・アジア系といった人種ごとのグループも含まれています。
しかし一方で、同従業員は「全てのメールグループが監視対象になっているわけではない」とも明かしています。同従業員によると、イスラム教系グループの「[email protected]」は監視対象となっているものの、キリスト教系グループの「[email protected]」は監視対象となっていないとのこと。
この問題について、Amazonの広報担当者は「さまざまな方法で大規模なフィードバックを収集しており、オープンメールグループに寄せられた匿名のフィードバックも収集対象に入っている」と述べ、社内のメールグループを監視している事実を認めました。監視を行っている理由については、「従業員の福利厚生の改善や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の強化など、エンプロイーエクスペリエンスの向上のため」と、特定のグループのみを監視対象としている件については「グループの規模と活動に基づいて監視対象を選定している」と説明しました。
Amazonは契約労働者のSNSを監視してストライキや抗議行動を起こさないように見張っているという問題も明らかになっており、大企業の中でも特に「従業員の監視」に関心を抱いているとみられています。
Amazonが契約労働者のSNSを監視してストライキを起こさないかチェックしていたと判明 - GIGAZINE
なお、2020年9月10日には、アメリカの大量監視プログラム「PRISM」を指揮していた元NSA長官がAmazon取締役に就任しています。
Amazonの取締役にアメリカの大量監視プログラム「PRISM」を指揮していた元NSA長官が就任 - GIGAZINE
by amy
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