テスラが暑い車内に取り残された子どもを検知する新技術を開発中
エンジンを切った車の中は夏であれば1時間で50度ほどにまで上昇することがあり、車内で待っていた子どもが熱中症になることや、最悪の場合は死に至ることもあります。アメリカでは2018~2019年で50人もの子どもが車内で熱中症により死亡したとのことで、テスラはこのような事故を防ぐべく、新たに「車内に残った子どもを検知する仕組み」を開発しています。
Tesla seeks approval for sensor that could detect child left in hot cars - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-tesla-safety/tesla-seeks-approval-for-sensor-that-could-detect-child-left-in-hot-cars-idUSKBN25G2GY
Tesla is working on a sensor that can detect a child left behind in a hot car - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/20/21377981/tesla-radar-sensor-child-hot-car-fcc
テスラが連邦通信委員会(FCC)に対して使用許可を求めているのは、短距離で作用するインタラクティブな動作検知デバイス。このデバイスは現行の法律で認められるよりも高い電力で動作するよう設計されています。
このデバイスはレーダーによって車の乗員の体の大きさを検知し、子どもであるか大人であるかを認識。また後部座席に存在するのが子どもなのか物なのかも識別し、誤警報を防ぎます。そして、センサー単体、あるいはセンサーとカメラを利用することで、後部座席の子どもの呼吸パターンや心拍を検知することが可能です。テスラによると、このデバイスが承認されれば、子どもが車内で熱中症になるリスクを軽減できるとのこと。
テスラの車に搭載されているエアバッグシステムは通常、シートに内蔵されたセンサーで乗員の重さを検知して展開しますが、上記のシステムを使って人の「サイズ」を元にエアバッグを展開できれば、より保護効果を高めることも可能だと考えられています。
テスラは既に車にさまざまなセンサーを搭載しており、車内に犬を残して運転手が車を離れている間でも、車内を快適な温度に保つ「ドッグモード」も開発されています。ドッグモードは大きなディスプレイに「私の飼い主はすぐに戻ってきます」と表示して通行人にメッセージを表示するほか、車の近くでかがんでいる人を検知すると「最小の脅威」として認識して、カメラの録画が始まったことを周囲に知らせるといった機能も搭載されています。
以下から実際にドッグモードがどのようなものか確認できます。
Introducing Dog Mode - YouTube
犬が助手席に乗った車内。運転手が中央のディスプレイのボタンを押し……
外に出ると……
ドッグモードに切り替わります。ディスプレイには「飼い主がもうすぐ帰ってきます」というメッセージと、車内の温度であるカ氏70度(セ氏21度)が表示されています。犬が心配になって車をのぞき込んだ人が安心できる仕組みです。
飼い主が戻ってくると、ディスプレイはナビに戻りました。
なお、センサーがいつ、どのような形でテスラの車に搭載される予定なのかは記事作成時点で未定であり、テスラの広報担当者もIT系メディアのThe Vergeのコメント要請に応えていないとのことです。
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