Amazonが「謎の種子事件」を受けて海外業者による植物や種子の販売を禁止
「中国から正体不明の種子が突然送られてくる」という事件が続発している件について、Amazonが、アメリカ国外の業者が植物や種子を販売することを禁止するようにポリシーを変更したと報じられています。
Amazon Bans Foreign Plant Sales to U.S. Amid Global Seed Mystery - WSJ
https://www.wsj.com/articles/amazon-bans-foreign-plant-sales-to-u-s-amid-global-seed-mystery-11599329209
Amazon bars foreign sales of plants to the US following deliveries of mystery seeds - The Verge
https://www.theverge.com/2020/9/6/21425009/amazon-foreign-sales-plants-seeds-mail-china
2020年7月頃から、アメリカの27州で「注文していない種子が中国から郵送されてくる」という不可解な事件が多数報告されていました。アメリカ合衆国農務省(USDA)が報告された種子を調査した結果、種の正体はアサガオやマスタードなど、12種以上だったことが判明しました。
中国から謎の「種子」が送られてくる事件が続発 - GIGAZINE
USDAによれば、謎の種子が送られたケースはすでに2万件近い報告を受けており、およそ9000袋を回収しているとのこと。USDAは「パッケージの偽装は農作物の密輸となる可能性があります」「海外から送られてきた種子は外来種のものである可能性もあり、商品作物に害を及ぼすかもしれません」と警鐘を鳴らしています。
これを受けてアメリカAmazonはプラットフォーム上で、アメリカ国外の販売業者が種子や植物をアメリカ国内向けに販売することを2020年9月3日以降禁止することをメールで通知しました。
Amazonは販売者向けポリシーの「植物および種子製品」で、「植物と種子を扱うには、必要なライセンスおよび許可を取得する責任を負い、違反に起因する罰則についても責任を負います。植物、植物製品、種子はアメリカ国外から輸入できません」と明記し、「お客様を保護し、カスタマーエクスペリエンスを向上させるための継続的な取り組みの一部です」と説明しました。
また、Amazonの広報担当者はIT系ニュースメディアのThe Vergeに対して「今後はアメリカ国内の販売者にのみ種子販売を許可します」と語り、新しいガイドラインに違反した販売者のアカウントは削除される可能性もあると述べました。
なお、謎の種子が送られてきたケースは日本国内でも複数確認されています。
全米で問題になっているらしい、中国郵政から謎の種が届くというやつ。
— きのこますお???? (@KinokoMasuo) July 29, 2020
これのこと…なのか……?
開けてもーたよ。
どうするよ。
アマゾン用に使っている住所に届いたから、確実にアマゾンから情報が漏れた。
なんの種だ?? pic.twitter.com/PTXS6ac3AI
ついに我が家にも中国から謎の種送られてきて草 pic.twitter.com/QGSswqFApM
— ????pilo吉 (@pilo_kumani) September 6, 2020
記事作成時点で日本のAmazonは、謎の種子に対するポリシーの改訂などの対応は発表されていません。
Amazon Newsroom - Home
https://amazon-press.jp/
農林水産省植物防疫所は、外装に輸入検査合格を示すスタンプがない種が届いたら、庭やプランターに植えずに植物防疫所に送付するよう呼びかけています。
海外から注文していない植物が郵送された場合は、植物防疫所にご相談ください:植物防疫所
https://www.maff.go.jp/pps/j/information/200730.html
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