限りなく紙に近いタブレット「reMarkable 2」を実際に使ってみたレビューが登場
電子ペーパーであるE Ink技術を使用し、限りなく紙に近い書き心地の実現を目指して開発された「reMarkable 2」を、ハードウェア関連専門のニュースサイトTom's Guideがレビューしています。
reMarkable 2 review: The ultimate tablet for writers | Tom's Guide
https://www.tomsguide.com/reviews/remarkable-2-review
「reMarkable」とは、できるだけ紙に近い使い心地を目指して開発されたタブレットです。2017年に登場した初代reMarkableは、手書きを愛するユーザーを中心に支持を集め、2020年時点でもソフトウェア開発プラットフォームGitHubでアプリやツールの開発が続けられているなど根強い人気を誇っていますが、動作が遅く手書き入力が反映されるまでの間に遅延が感じられるといった欠点を抱えていました。
こうした欠点を克服し、さらに紙に近づくことを目標に開発された「reMarkable 2」について、Tom's Guideの編集者であるヘンリー・T・ケイシー氏は「物書き向けの究極のタブレット」と評しています。
reMarkable 2を入手したケイシー氏が最初に気付いたのが、初代に比べて一回りスリムになったという点です。初代reMarkableの寸法は縦177mm×幅256mm×薄さ6.7mmでしたが、reMarkable 2は縦187mm×幅246mm×厚さ4.7mmと、本体が一段と薄くなりました。
reMarkable 2のディスプレイは、初代reMarkableと同じ10.3インチのモノクロディスプレイで、解像度は1872×1404(226DPI)です。この点についてケイシー氏は「解像度はiPadに負けていますが、reMarkable 2ではムービーを見たりしないので問題にはなりません。また、スクリーンに何か書くと多少ドットが感じられますが、文字は十分くっきりしています」と述べています。一方、暗い場所で使用してみたところ、バックライトが無いことが気がかりになったとのこと。
reMarkable 2の最大の特長は、紙とほとんど同じ書き心地だという点です。これについて、ケイシー氏は「書き込むことに関しては、reMarkable 2の右に出るものはありません。私がこれまで使ったことがあるどのガジェットよりも、紙の上に鉛筆やペンを走らせるのに近い自然な書き心地を実現しています。iPadのガラスの画面にApple Pencilを押し付けても、こうはいきません」と絶賛しました。
また、reMarkable 2には多くのテンプレートが用意されているほか、Photoshopのようなレイヤー機能も搭載されているため、方眼紙に地図を描いたり、プランナー向けのテンプレートで1週間の仕事を整理したり、作家向けのテンプレートで映画のシナリオを練ったりすることもできるとのこと。
reMarkable 2で手書きした内容は、文字に変換したり、reMarkableアプリを使ってスマートフォンやPCと共有したりできます。
実際にreMarkable 2でリモート会議のメモをとったケイシー氏は、「手元を見ずに書いていたので、かなり判読しにくいメモになりましたが、そんな文字でもテキストデータに変換できる機能が存在しており、これは私のお気に入りです」と記しました。
また、初代reMarkableの課題だった遅延について、「reMarkable 2のレイテンシは21ミリ秒で、初代reMarkableの55ミリ秒からの改善が見られます。iPad ProとSamsung Galaxy Tab S7のペン入力のレイテンシはともに9ミリ秒なので、これがreMarkableの目標となると思いますが、紙に近いデジタル画面でどこまで肉薄できるかは未知数です」とケイシー氏は述べています。
初代reMarkableには、入力の遅延だけでなくバッテリーの減りが早いという欠点もありました。そこで、ケイシー氏がフル充電のreMarkable 2を1日1時間以下の使用時間で1週間ほど使ってみたところ、バッテリーの残量は53%となったそうです。この結果について、ケイシー氏は「1回の充電で2週間使用できるというメーカーの主張と一致しています。初代reMarkableが3~4日しかもたなかったことを考えると、飛躍的な進歩といえます」と述べました。
以上の結果から、ケイシー氏は「iPadなら、reMarkable 2より70ドル(約7400円)節約できて、カラースクリーンで、多くのアプリを使ったりNetflixで映画を見たりできますが、reMarkable 2はiPadとはまったく違う目的を果たすことができます。紙に書いているような感覚を無限に使えるデジタルノートで、メモをクラウドに保存し、手書きの文字を編集可能なテキストに変換したいなら、reMarkable 2以上のものはありません」と結論付けました。
reMarkable 2は既に予約受付を開始しており、記事作成時点での価格は399ドル(約4万2300円)です。ただし、日本への出荷には対応していませんでした。
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