Docker Hubがコンテナイメージの保存期間に加えてPull回数にも上限を設定すると発表
世界最大のコンテナイメージ共有サービス「Docker Hub」が、無料ユーザーのイメージPull回数を制限すると発表しました。Docker Hubは先日、無料ユーザーに対するイメージ保存期間の制限も発表しており、引き続き無料でDocker Hubを利用する場合は注意が必要です。
Scaling Docker to Serve Millions More Developers: Network Egress - Docker Blog
https://www.docker.com/blog/scaling-docker-to-serve-millions-more-developers-network-egress/
Scaling Docker’s Business to Serve Millions More Developers: Storage - Docker Blog
https://www.docker.com/blog/scaling-dockers-business-to-serve-millions-more-developers-storage/
Resource Consumption Updates FAQ | Docker
https://www.docker.com/pricing/resource-consumption-updates
Dockerとは、アプリケーションや環境を含むDockerイメージからDockerコンテナを起動するコンテナ仮想化技術のひとつ。Dockerの仕組みについては、以下の記事で解説されています。
どこでも同じ環境を再現してアプリを動かせる仮想化ツール「Docker」の仕組みとは? - GIGAZINE
Docker Hubはコンテナの起動に必要なコンテナイメージを共有できるサービスです。さまざまなコンテナイメージが共有されているDocker Hubを利用することで、自分でコンテナイメージを作成する手間が省けたり、別の環境で同じコンテナを簡単に起動したりすることができます。
これまで、Docker Hub上のコンテナイメージは無料プランでも保存期間に制限はありませんでしたが、Dockerは2020年8月13日に「6カ月間利用されていないコンテナイメージを削除する」制限を無料プランに設けると発表。
さらに、2020年8月24日にはコンテナイメージをダウンロードする「Pull」の回数にも制限をかけると発表しました。Pull回数の制限はイメージのPullを行う側が利用するDocker Hubプランに依存しており、具体的なPull回数の制限内容は以下の通りです。
・無料ユーザー(匿名):6時間あたり100回まで
・無料ユーザー(登録済み):6時間あたり200回まで
・ProおよびTeamプランユーザー:無制限
Pull回数の制限を行うことになった経緯については、Dockerの役員であるJean-Laurent Morlhon氏が説明しています。Docker HubにおけるPull回数を調査したところ、多くの利用者のPull回数は想定内でしたが、一部の匿名ユーザーが大量のPullを行っていることが判明したとのこと。Pull回数上位1%の匿名ユーザーが、Docker Hub全体におけるダウンロードの30%を占めていたとMorlhon氏は語っています。
Pull回数はDockerイメージのメタデータが記述された「マニフェストファイル」をダウンロードすることでカウントされ、匿名ユーザーの場合はIPアドレスをもとに制限されるとのこと。Pull回数の制限は保存期間の制限と同じく、2020年11月1日より適用されます。
なお、Docker Hubと同じようにコンテナイメージを公開できるサービスとしては、「GitHub Packages」などが存在します。
GitHub Packages: Your packages, at home with their code · GitHub
https://github.com/features/packages
・関連記事
どこでも同じ環境を再現してアプリを動かせる仮想化ツール「Docker」の仕組みとは? - GIGAZINE
Googleが生んだ「Kubernetes」がポケGOやメルカリを支えるほどの成功を収めた理由とは? - GIGAZINE
1000年後にデータを残すための「GitHub Archive Program」で21TBのリポジトリの北極圏への保管が完了 - GIGAZINE
GitHubコミュニティが世界中に拡大していることを示す年次レポートが公開される - GIGAZINE
RISC-Vによる新しいプロセッサの開発が難しいのはなぜなのか? - GIGAZINE
Googleの徹底的なシステム障害への対応「SRE」の中身とは? - GIGAZINE
GoogleのGmailやクラウドなどのサービスを支える技術「Borg」の統計情報が公開 - GIGAZINE
・関連コンテンツ