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子どもたちに集中力を与える「バットマン効果」とは?


スマートフォンやインターネットの誘惑により、現代社会で子どもに忍耐力や集中力を維持させるのはとても難しくなっています。好奇心が強くひとつの物事に集中できない子どもたちの精神を育てる方法として、「バットマン効果」というアイデアが提案されています。

How to Use the 'Batman Effect' to Teach Kids Perseverance | Psychology Today
https://www.psychologytoday.com/us/blog/what-mentally-strong-people-dont-do/201802/how-use-the-batman-effect-teach-kids-perseverance

科学ジャーナリストのデビッド・ロブソンBBCで、ビヨンセやアデルといった音楽界のスーパースターがオルター・エゴを採用することでパフォーマンスを向上させていると紹介しています。オルター・エゴは、大舞台で緊張するときなどに自分以外の誰かを「取りつかせる」ように思い込むことで、自分の感情から一歩距離をとり、冷静に状況を見ることができるようにするというもの。「バットマン効果」とは、オルターエゴと同じような効果を無意識下で与える方法です。


2016年の研究では、4歳と6歳の子どもでバットマン効果の理論がテストされました。子どもたちはコンピュータで退屈なタスクを割り当てられると同時に、休憩したくなったらいつでもタブレットで楽しいゲームをやって休むことができると伝えられます。タスクは退屈で面倒ですが、子どもたちはそれが「非常に重要」で、タスクをこなすと「良いヘルパー」になると伝えられています。

そして子どもたちを3つのグループに分け、それぞれ別のアプローチで子どもたちの集中力を促進します。1つ目のグループでは、子どもたちが自分から「私は一生懸命に取り組んでいるか?」と自問するように指示されます。2つ目のグループでは、三人称視点で「(自分の名前)は一生懸命取り組んでいるか?」と自問するように指示され、3つ目のグループでは、子どもたちにバットマンなどの勤勉なキャラクターをイメージさせ、「バットマンは一生懸命に働いているのか?」と自分=キャラクターが集中できているか問いかけるように指示されました。

一人称で自問する1つ目のグループではほとんどの子どもたちが休憩をとってタスクが進まなかった一方で、三人称で自問を行った2つ目のグループは比較的良くなったと報告されています。これは、三人称で自分を言及することで、「自分自身」の感情から離れることができるためだと推測されるとのこと。


バットマンが集中できているかを自問した3つ目のグループは結果として最も高いパフォーマンスを発揮したそうです。研究者たちは、キャラクターをイメージすることでその勤勉な性格を引き受けてタスクを続けるための自信を獲得できたのだと考えています。


バットマン効果は、実験と同じような「タスクと誘惑」の状況で子どもたちの活動に影響を与える働きのほか、「新たな挑戦をする際の欲求不満」にも良い影響を与えると研究者は考えているそうです。より有能な人になりきることで、誘惑をはねつけるだけではなく、未知の世界に踏み込んでいく不安や緊張も打倒することができるアプローチであることが期待されています。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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