Intelの次世代モバイルプロセッサ「Tiger Lake」やXeグラフィックスなどオンラインイベント「Architecture Day 2020」での発表まとめ
Intelが、オンラインイベント「Architecture Day 2020」を2020年8月11日(火)に開催しました。その中で、次世代SoC「Tiger Lake」や独自のGPUアーキテクチャ「Xe」の情報を発表しました。
Architecture Day 2020 | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/press-kits/architecture-day-2020/
◆第11世代 Core搭載の次世代SoC「Tiger Lake」
Intelのモバイル向け次世代プロセッサ「Tiger Lake」は第11世代 Core「Willow Cove」を4コア搭載しており、GPUにはXe-LPグラフィックスを96実行ユニットも搭載。さらにLPDDR5のメモリに対応するほか、PCIe 4.0やGNA2.0にも対応するとのこと。また、L2キャッシュが前世代のSunny Coveでは512KBだったのが1.25MBに増強され、L3キャッシュも24MBに増強されました。
さらに、Tiger Lakeは、前世代のIce LakeがIntel 10nmプロセスで製造されていたのに対して、「Intel 10nm SuperFin」という新しい製造プロセスを採用しているのがポイント。このIntel 10nm SuperFinは従来の10nmプロセスの改良版という位置付けです。
Intel 10nm SuperFinによってクロック速度の向上と消費電力の削減を実現したとIntelはアピール。Willow Coveは、前世代のSunny Coveよりも性能が大きく上がったそうです。
◆Intel 第12世代「Xe」グラフィックアーキテクチャ
Tiger Lakeで初めてお目見えしたXe-LPグラフィックスはIntelの第12世代グラフィックスアーキテクチャで、パフォーマンスの向上と消費電力の削減を掲げて設計されました。IntelはDoom EternalやBattlefield VなどのAAAタイトルでも、Xe-LPグラフィックスであれば1080pでスムーズに遊ぶことができるとアピールしました。前世代である第11世代Intel HDグラフィックス搭載・消費電力25WのSoCで初めて動作していたゲームが、Xe-LP搭載SoCならば消費電力が15Wでも十分遊べるようになっていると述べました。
また、このXe-LPはSoCの1パーツとしてだけでなく、Intelが「2020年にリリースする」と2018年に発表していたディスクリートGPU「DG1」や、サーバー向けGPU「SG1」にも採用されるとのこと。Intel 10nm SuperFinを製造プロセスに採用したDG1はO、EM向けとして販売される予定で、既に生産を開始したとIntelは発表しています。
そしてデータセンター向けのXe-HP、一般向けのXe-HPC、そしてゲーミング向けのXe-HPGも発表されました。詳しいスペックは発表されていませんが、Xe-HPGはサードパーティのファウンドリで生産され、2021年に登場する予定だとのこと。Intelがゲーミング向けのディスクリートGPUをリリースするということは、GeForceブランドを展開するNVIDIAや、Radeonブランドを展開するAMDをライバルに競合していくことを意味します。
◆Intel 第2世代Optane SSD向けの4層3D XPointメモリ
Intelは、2019年に発表したメモリ技術「Optaneテクノロジー」を応用したOptane パーシステント・メモリとOptane™ DC SSDを販売しています。このOptaneテクノロジーを使ったOptaneメモリの第2世代を利用したBarlow PassとAlder Streamが2020年中に投入予定となっています。
第2世代Optaneメモリでは、2層構造だったメモリセルアレイを4層構造にすることで従来の2倍の記録密度を実現。PCIe 4.0をサポートするSSDコントローラーと組み合わせると、記事作成時点でリリースされているOptane SSDの2倍以上の読み書き速度が期待できるとのこと。また、ランダム読み込み速度のレイテンシも改善されるそうです。
不揮発性メモリに使われる3D XpointはIntelと半導体製造のMicron Technologyによって開発された技術。第2世代Optane SSDにも3D XPointが使われるため、製造はおそらくMicron Technologyによると予想されます。
◆2021年のロードマップ
IntelはWillow Coveの次世代として、2021年に10nmプロセスのGolden Coveコアが登場すると発表しました。これによりさらなるパフォーマンスの向上、AIと5G通信の最適化、セキュリティの向上が期待できるとのこと。2021年に登場予定のHybrid x86アーキテクチャを採用したデスクトップ向けプロセッサ「Alder Lake」は、Golden Cove1コアと次世代AtomコアであるGracemont4コアを載せた、ARMのbig.LITTLEのような構成になるそうです。
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