「人間が10分間に食べられるホットドッグの最大本数」を科学的に追求した結果は?

by Tanya Yule

2020年7月4日にアメリカ・ニューヨークで開催されたネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権で、ラスベガス在住の須藤美貴さんが十分間で48.5個をたいらげ、早食い大会女性部門を7連覇するという新記録を達成しました。アメリカでは人気イベントであるホットドッグの早食いについて、ハイポイント大学の研究者が「人間が10分以内で食べられるホットドッグの上限数」をコンピューターモデルを使って算出したと発表しました。

Modelling the maximal active consumption rate and its plasticity in humans—perspectives from hot dog eating competitions | Biology Letters
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2020.0096#


Estimating the maximum number of hot dogs that can possibly be eaten in 10 minutes
https://phys.org/news/2020-07-maximum-hot-dogs-possibly-eaten.html


ハイポイント大学の理学療法士で、ランニングや幅跳びなどのスポーツにおける人間の限界について研究しているジェームズ・スモリガ氏は、2019年度のネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権の映像を見ながら、「大会の参加者はいったいどれだけホットドッグを食べることができるのだろうか」と不思議に思ったとのこと。

by Michael McDonough

スモリガ氏は、この疑問に答えるため、他のスポーツで人間の限界を予測するために使っているのと同じコンピューターモデルを使用しました。そして、過去39年分の大会での記録をすべて入力して分析を行いました。

その結果、年が進むにつれて、他のスポーツと比較してもネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権参加者のレベルが大きく上がっていることがわかりました。39年のうち、最初の数年はだいたい12本のホットドッグを食べることができれば優勝ラインに手が届くといったところでした。しかし、1990年頃から少しずつ優勝ラインの本数が増加し、近年では60本以上と、当初のおよそ5倍に膨らんでいます。なお、2020年度の男性部門で5連覇を記録し、通算13回も優勝したジョーイ・チェスナット選手が2020年度大会に食べたホットドッグの本数は75本でした。

by Jeff

スモリガ氏は、特定の条件下で大量の食物を消費および消化する能力を「能動消費率(ACR)」として定量化しました。これをコンピューターモデルに当てはめて予測した結果、チェスナット選手の75本という記録にはもっと伸びしろがあると主張し、「計算によれば、チェスナット選手のように大食いの適切な訓練を受けた人間であれば、理論的には10分間で最大84本のホットドッグを食べることができるはず」と論じています。

また、スモリガ氏は、84本という記録を達成するほどの競技者のパフォーマンスは、一般的なスポーツ選手を上回っているものの、この記録を残すような選手はトレーニングによって消化機能に障害を示している可能性が高いと指摘。チェスナット選手が75本以上に記録を伸ばすためには、今よりももっと胃の容量を大きくするだけでなく、より早く噛んで飲み込むことで力学的な限界を超える必要があると述べました。

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in , Posted by log1i_yk

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