メモ

SNSで偽情報を発信し国を分断させるロシアのネットワークが危険視されている


トランプ大統領が勝利した2016年のアメリカ大統領選挙では、ロシアがトランプ大統領当選を目的としたサイバー攻撃を行ったと疑われており、またアメリカの世論に溝を作るためのSNS投稿が多数あったとされています。ロシアが関連したこのような活動は2020年時点でも継続されており、秘密裏に行われていた作戦の1つである「Secondary Infektion」(二次感染)の詳細が徐々に明らかになっています。

Secondary Infektion at a Glance
https://secondaryinfektion.org/report/secondary-infektion-at-a-glance/

Report: Russia-linked disinformation operation still active | WBMA
https://abc3340.com/news/nation-world/report-russia-linked-disinformation-operation-still-active

Russia-Based Influence Campaign Spanned Six Years - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-06-16/russia-based-influence-campaign-spanned-six-years-300-platforms

Enemies of Putin targeted in newly discovered Russian disinformation campaig - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/national-security/russian-disinformation-operation-relied-on-forgeries-fake-posts-on-300-platforms-new-report-says/2020/06/16/679f5b5c-ae8d-11ea-8f56-63f38c990077_story.html


ソーシャルメディアの分析を行うGraphikaは、2016年のアメリカ大統領選挙でアメリカを分裂させるために機能した、「Secondary Infektion」というネットワークの運用レポートを新たに公開しました。Secondary Infektionは2014年から活動を開始し、アメリカだけでなく、ウクライナ・フランス・イギリスといった国々に関連した偽情報をSNSを使用して広めてきました。2019年にFacebookがいくつかのアカウントを削除した際に、その存在が報告されました。

Graphikaによると、Secondary Infektionは記事作成時点でも引き続き活動を行っており、イスラム教徒、移民、ヒラリー・クリントンの殺人疑惑、アンゲラ・メルケルのアルコール依存症疑惑などを主張する偽の情報を含む文書やツイートなどをインターネット上に投稿しています。

「Secondary Infektionにモットーがあるとしたら、『分断と征服』でしょう。この作戦全体の目的は、ターゲットとなる国や組織を分断し、信頼を失わせ、同盟国を敵対させ、ロシアを非難する人々を仲たがいさせることのように見えます」とGraphikaの調査担当であるBen Nimmo氏は述べました。


一方で、Secondary InfektionのSNS投稿は、その多くがいわゆる「捨てアカウント」で作成されており、視聴者の数が増える前に削除されています。これは専門家が追跡してネットワークにたどり着けないようにするための策だとGraphikaはみています。Secondary Infektionは作戦の慎重さゆえに「効果が大きい」とは言えず、Graphikaの最高イノベーション責任者であるCamilleFrançoi氏は、「彼らが誰で、何を目的としているのか、これらの質問に対する答えを我々は持ちません。私たちが困惑しているのは、この点です」とコメント。

ただし、2020年11月の大統領選を前に、研究者はSecondary Infektionの野心と規模を危険視しています。


米国上院情報委員会のMarco Rubio議員はGraphikaのレポートを高く評価しており、「アメリカ政府や立法府、メディア、そして大衆は、国外に存在する敵がアメリカを分断しようとし続けていることを警戒しなければなりません。またアメリカ政府は海外の権力とつながりのあるSNS上の誤情報に対処し続ける必要があります」と述べました。

なお、基本的には「人目に付かないように」活動を行っているSecondary Infektionですが、2019年12月にイギリスで選挙を前にアメリカとイギリスの間で交わされた貿易についての会話を記録した正規の文書がReddit上などでリークされました。この情報は正規の文書が含まれることを除いて、Secondary Infektionの活動で流された情報と同一だったことが明らかになっています。

Suspected Campaign from Russia on Reddit : redditsecurity
https://www.reddit.com/r/redditsecurity/comments/e74nml/suspected_campaign_from_russia_on_reddit/

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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