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人はスマホの方がPCよりも自分の情報を開示し「気持ち」を明かしやすいことが調査で判明


「スマートフォンは大人のおしゃぶりである」という論文を発表した研究者が、新たに「人はパソコンを使っている時より、スマートフォンを使っている方がより個人的な内容を書き込みやすい」とする研究結果を発表しました。

Why People Are More Honest When Writing on Their Smartphones - WSJ
https://www.wsj.com/articles/why-people-are-more-honest-when-writing-on-their-smartphones-11591999279

ペンシルベニア大学ウォートン・スクールでマーケティング学准教授を務めるShiri Melumad氏は、研究のため、3つの現地調査と2つのコントロール実験を実施しました。

まず1つ目の調査で、Melumad氏はTwitterの投稿30万件を12時間間隔で観察し、スマートフォンで書かれた投稿はPCでの投稿に比べて47%も一人称を使う傾向が高く、家族への言及は52%多かったとのこと。「消費者はスマートフォン上でより感情や考えを伝える傾向にあり、『私』『私たち』といった言葉を使い、家族や友人について語る傾向があります」とMelumad氏。


また2つ目の研究では旅行口コミサイトのトリップアドバイザーに掲載されている1万件以上のレビューをランダムに抽出し、自然言語処理ソフトウェアと1380人の被験者に、その内容を評価してもらいました。

この結果、自然言語処理ソフトウェアはスマートフォンで書かれたレビューは一人称を多く含み、友人について言及することが多いと判断。また人間の被験者も、スマートフォン上での評価を「より自分について語っており、説得力がある」と判断しました。スマートフォンで書かれたレストランのレビューは、読み手の興味をそそる内容になっており、これは企業のマーケティング担当にとって重要な知見であるとMelumad氏はみています。


そして、3つ目の調査では人はPC上で表示された広告よりも、スマートフォン上に表示された広告に対しての方が、個人情報を開示しやすいことが示されました。

一方、コントロール実験では、PCのスクリーンよりもスマートフォンのスクリーンの方が人をより集中させることが示されました。これは心理学で「Attentional narrowing」(注意の狭小化)と呼ばれる現象で、例えば「病院の救急室に向かっているような高ストレスの状況では、運転手は目の前のものだけに集中し、道の端にいる歩行者を見ない」といった例が挙げられます。このような注意の絞り込みは、スマートフォン上でツイートする時や、レビューを書く時、調査の質問に回答する場合、犯した罪を尋ねられた時にも見られたとのこと。

Melumad氏は過去の研究で「スマートフォンは大人のおしゃぶりである」と発表しましたが、スマートフォンによる「心地よさ」がユーザーをより集中させ、自分の情報を開示させることにつながるのだと見解を述べています。


企業が市場調査を行う場合、スマートフォンを使えば、より正直でオープンな回答者の情報を集めることが可能だとMelumad氏はコメント。またレストランはスマートフォンでレビューを書くことを求めた方がより説得力がある内容が得られ、企業が商品レビューを扱う際もスマートフォンで書かれた内容に集中した方が、消費者の真の好みを得やすいとMelumad氏は述べました。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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