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職場で起こる対立をWin-Winで解決するための4つの原則とは?


複数の人間が働く職場では、様々な理由で衝突が生まれます。それは、技術職と営業職で異なる文脈の中で問題を捉えているという「意見の相違」で対立する場合もあれば、性格のぶつかり合いが原因で対立する場合もあります。こうした職場での対立をどうやって管理し、双方にとってWin-Winになるように解決していくのかを、投資家であり起業家であるデイブ・ベイリー氏が解説しています。

How to Resolve a Conflict When Both Sides Are Right
https://medium.dave-bailey.com/how-to-resolve-a-conflict-when-both-sides-are-right-1f375bc82f7f


職場での対立は人間関係だけが原因ではなく、意見の相違によって引き起こされる場合もあるとベイリー氏。たとえば、エンジニア主任はソフトウェアの再設計を望む一方で、営業主任はソフトウェアの新機能の実装を早急に必要とする場合、どうしても対立してしまいます。また、共同設立者の1人が特定の方向にビジネスを推し進めても、別の共同設立者は違った戦略を取りたいと考える場合も対立が生まれます。


そこでベイリー氏が推奨するのが、非暴力コミュニケーション(NVC)という、1970年代にアメリカの臨床心理学者であるマーシャル・ローゼンバーグ氏の提唱したプロセスです。具体的には観察・感情・ニーズ・リクエストの4要素に注目しながら、自身の内面と対話したり、相手の言動の意図を推測した上で対話を試みたりするというもの。

しかし、NVCによって職場での対立をなくそうとするためには、「自分がどう働きかけるか」ではなく「自身の考えや感情、動機を吟味する」という内省が必要だ、とベイリー氏。この内省には一定の時間や余裕が必要となるため、NVCが必ずしも職場の対立を解決できるツールではないとベイリー氏は主張しています。


そこで、ベイリー氏は、職場での対立を解決するために以下の4つの原則を掲げています。

◆1:特定の問題を明らかにする
直感的な判断を行うと、人は自分の判断を正当化する論理的な理由を後付けで考えるもの。直感的なアプローチはアイデアを議論するためには重要ですが、結局お互いの理屈をぶつけた上で最良のアイデアを探ろうとしてしまうため、対立を生んでしまいます。

ベイリー氏は、職場での対立を減らすためには「直感的な判断なしで状況を観察する能力が必要」と述べています。職場で対立が起こった場合は、「何を認識したのか」「人は実際に何と言っていたのか」「具体例は何があるのか」といった質問を重ね、当事者たちに直感的な判断ではなく状況を観察させることが重要だとベイリー氏は述べています。


◆2:職場で感情を共有する
直感こそ直感的な判断を行わせ、直感的な判断が推論でものを動かしがちになってしまうもの。ベイリー氏は「感情を仕事に持ち込むべきではない」という意見を認める一方で、人間は自分の感情に沿って動いてしまうものであり、チームで感情を共有することも重要だと主張。「他人からの嫌がらせを恐れることなく、誰もが弱さを見せられる場所を作ることは、どのような形の紛争解決にも不可欠です。人の脆弱性はつながりの源です」とベイリー氏は述べています。

◆3:双方の基本的なニーズを把握する
相手が何を求めていて、何が実現しないからイライラしてしまっているのかを質問し、把握することも重要。例えばバグの報告が増加して、開発速度が40%減少している状況の中で、「何ができなくてエンジニアが不満を抱えているのか」「エンジニアは現状で何が満たされていないと感じているのか」を尋ね、把握することが大事だとベイリー氏は説いています。


◆4:双方の観点からニーズを認識させ、問題を再構成する
例えば、営業が顧客からの新機能実装を依頼された場合を想定します。もし実装できなければ取引が失敗してしまう可能性があります。営業はエンジニアと会議を行いますが、エンジニアは新機能の搭載よりも現時点でのバグを解決したいと考えているので、両者の話し合いは緊張状態になります。

この場合、現場のディレクターは「新機能の実装」あるいは「ソフトウェアの再設計の継続」を命じるのではなく、まずは当事者であるエンジニアに対して「安全で負荷の少ない解決法はあるか」、そして営業に対して「独立性とサポートを提供できる解決法はあるか」と尋ねることで、全員のニーズを満たす条件を探るべきだとベイリー氏は述べています。

ベイリー氏は、チーム内で意見の相違に遭遇したとき、双方に「どんな感情とニーズを抱えているのか」を自問させることが重要だと述べ、「私の推測では、このことを意識するだけでこの地球上にある問題の多くがより早く解決できると考えています」とコメントしています。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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