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手洗いだけでなく「手の拭き方」も感染症予防には重要、ベストな手の拭き方とは?


新型コロナウイルス対策に限らず、感染症のリスクを下げるには手洗いをしっかりと行うことが重要ですが、見落とされがちなのが「洗った手を乾燥させること」です。「正しい手の乾かし方」をイギリス・スウォンジー大学の人間中央科学部の研究者であるジュリアン・ハント氏とジョン・ギャモン氏が解説しています。

The neglected element of hand hygiene - significance of hand drying, efficiency of different methods and clinical implication: A review - John Gammon, Julian Hunt, 2019
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1757177418815549?journalCode=bjib

Coronavirus and handwashing: research shows proper hand drying is also vital
https://theconversation.com/coronavirus-and-handwashing-research-shows-proper-hand-drying-is-also-vital-132905

2018年の調査によると、97%の人はトイレに行った後に適切な手洗いを行えていなかったとのこと。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はこれを受けて、「手を洗うタイミング」と「正しい手の洗い方」を説明しています。

トイレの後にちゃんと手を洗う人はたった5%、正しい手洗いの方法とは? - GIGAZINE


正しい手洗いの方法は以下の5つの手順を守ることが大切だとCDCは述べています。

1:きれいな流水で手を濡ぬらし、蛇口を止めたら石けんを手にとります。
2:石けんで手をこすって手を泡立てて、手の甲・指の間・爪の下をよく洗います。
3:少なくとも20秒間は手をこすりあわせること。CDCは「手を洗う時に『ハッピーバースデートゥーユー』を最初から最後まで2回歌うとよい」と時間の目安を示しています。
4:きれいな流水で手をよくすすぎます。
5:清潔なタオルか風でしっかりと手を乾かします。

ハント氏とギャモン氏は、このうち「手の乾かし方」に着目してレビュー論文を発表しました。この研究ではウイルスではなくバクテリアに対する手乾燥の影響が調べられましたが、新型コロナウイルス感染症の対策としても重要だと考えられています。手乾燥はただ水分を取り除くだけでなく、摩擦によって微生物の進路を絶ち、微生物の移動を減らします。また微生物の伝染は乾いた肌ではなく濡れた肌で起こりやすいとのこと。

調査の結果、特に病院における熱風ハンドドライヤーと布ローラータオルの使用が問題のある方法だということが示されました。温風やジェットエアを使ったハンドドライヤーは粒子や微生物を空気中に拡散させ、環境を汚染する可能性があります。また、ローラータオルもロールに限界があり、最終的には清潔な手に菌を移動させる可能性があります。


アメリカの公衆トイレでは一般的に温風によるハンドドライヤーやローラータオルが使われていますが、汚染リスクが高い病院では、ペーパータオルが最も推奨される方法だと研究者は示しています。もちろん、どのような環境においても適切に手を乾かすことは重要ですが、特に入院患者として病院で暮らしていたり、患者を見舞ったり、スタッフとして病院で働いていたりする場合にはペーパータオルを利用すべきとのこと。加えて、手を乾燥させる方法としてもペーパータオルが最も効果的で迅速的な方法だそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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