AMDの次世代GPUのソースコードが盗まれる、犯人は「100億円以上の価値がある」と買い手を募集
チップメーカーのAMDが、AMDの次世代GPUアーキテクチャである「Navi」と、Xbox Series Xに採用されている「Arden GPU」に関連するソースコードが不正アクセスによって盗まれたと発表しました。盗み出されたソースコードの一部は一時的にGitHubで公開され、犯人は「情報は1億ドル(約110億円)の価値があり、買い手がいなければすべてリークする」と述べています。
AMD Statement on Theft of Graphics IP | AMD
https://www.amd.com/en/corporate/data-update
AMD Uses DMCA to Mitigate Massive GPU Source Code Leak (Updated) * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/amd-uses-dmca-to-mitigate-massive-gpu-source-code-leak-200325/
AMDによれば、2019年12月にAMDが手がけているGPUに関連するテストファイルを持っていると主張する人物から連絡を受けたとのこと。その後、テストファイルの内容の一部がオンラインに投稿されたものの、削除されたそうです。
AMDは「犯人が公開されていない追加のファイルを持っていることを確認していますが、盗まれた情報は当社のGPUの競争力やセキュリティの中核を成すものではないと考えています。犯人がAMDの他製品の知的財産を盗み出しているという事実は確認していません」と述べ、犯罪捜査の一環として法執行機関や専門家と緊密に連携しているとコメントしています。
また、AMDはGitHubにデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づき、「xxXsoullessXxx」のリポジトリと「AMD-navi-GPU-HARDWARE-SOURCE」というプロジェクトの削除を申請しており、すでにプロジェクトは削除されています。
IT系ニュースサイトのTorrentFreakは、AMDからソースコードを盗み出した自称女性ハッカーから匿名でメッセージが得られたことを明かしており、「2019年11月にハッキングされたコンピューターから、AMD Naviのソースコードを見つけました。ハッキングされたコンピューターのユーザーは、コードの漏洩に対して効果的な措置を講じていませんでした」と語っていたことを明かしています。
また、ハッカーは「ソースコードはいくつかのエクスプロイトによって保護されていないコンピューターから予期せず入手できたものです。私はその中のファイルが何だったかについて後で知りました。ソースコードは適切に保護されておらず、暗号化もされていなかったのは悲しいことです」と語っています。
TorrentFreaksがソースコードのリークについてAMDに話したかどうかを尋ねたところ、「AMDとは話し合っていませんが、それは自分たちの過ちを認めて前進しようとするのではなく、私を訴えようとするだろうと確信しているからです。そう言うと皆が『なぜリークしないのか?』と聞かれました」とハッカーは答えたとのこと。
また、「すでにソースコードはネット上にアップロードしています」とハッカーは語っており、TorrentFreaksによれば、とあるファイルホスティングサイトにソースコードをまとめたファイルがアップロードされているのを確認したとのこと。ただし、ファイルはパスワードで保護されており、ハッカーはソースコードの買い手にパスワードを配布すると述べています。ハッカーはソースコードは1億ドルの価値があるとしており、「もし買い手が見つからなければすべてをリークするでしょう」と述べています。
・関連記事
ランサムウェアの開発者が「身代金を支払わなかった企業のデータを公開するブログ」を作成すると脅迫 - GIGAZINE
「2020年はエキサイティングな年になる」とAMDのリサ・スーCEOがインタビューで語る - GIGAZINE
次世代ゲーム機「Xbox Series X」の詳細スペックが公開、基本スペックの大幅進化だけでなく専用拡張SSD&外付けストレージにも対応 - GIGAZINE
Microsoftが次世代ゲーム機「Xbox Series X」の詳細を発表、12TFLOPSのGPUや120fpsの対応など - GIGAZINE
・関連コンテンツ