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「2020年はエキサイティングな年になる」とAMDのリサ・スーCEOがインタビューで語る


2020年1月6日から10日まで開催されている世界最大級の技術見本市CES 2020で、ノートPC向けの7nm設計・Zen 2アーキテクチャAPU「Ryzen Mobile 4000」シリーズを発表するなど、CPU市場で影響力を増しているAMDのリサ・スーCEOに対し、複数メディアにより行われた合同インタビューの内容がAnandTechVentureBeatに公開されています。

AMD at CES 2020: Q&A with Dr. Lisa Su
https://www.anandtech.com/show/15344/amd-at-ces-2020-qa-with-dr-lisa-su

AMD CEO interview — Expect a lot more from us in 2020
https://venturebeat.com/2020/01/08/amd-ceo-lisa-su-interview-expect-a-lot-more-from-us-in-2020/

AMDはデスクトップ向けプロセッサは得意な分野でしたが、ノートPC向けプロセッサとなるとIntelが市場を支配する状況が続いています。スー氏によると、ノートPC市場においてAMDはCPUとGPUを統合し、バッテリー消費を中心にさまざまなことを行ってきたとのこと。Ryzen Mobile 4000シリーズはAMDの大きな強みになり、CES 2020で発表されたLenovo Yoga Slim 7やASUS、Dellのマシンなど、OEM先もAMDのエコシステムに関する多くの設計を行っているとスー氏は述べています。

AMDがノートPC向けの7nm設計・Zen 2アーキテクチャAPU「Ryzen Mobile 4000」シリーズを発表 - GIGAZINE


AMDがモバイル向けのチップセットを構想した時から今日に至るまでに、ノートPC市場ではよりパフォーマンスが求められるようになってきており、デスクトップ並の性能を持つノートPCを作るという考えが急速に広がっています。AMDはそれにあわせて一般的なモバイル向けであるUシリーズの他に、TDPをUシリーズから少し増やしてパフォーマンスを上げた、ゲーミング向けやクリエイター向けプロセッサであるHシリーズも用意しています。

AMD Ryzen Threadripperのようなハイエンド向けCPUはAMDのブランド認知度を大きく向上させ、AMDのエコシステムをより強いものにしたとのこと。しかし、大衆向けのCPUのコア数は第三世代のThreadripperについては64コアが限界だとスー氏は考えています。16コアや32コアはマルチスレッド対応のアプリケーションを動作させるのに適切なコア数ですが、64コアはまだ最適化が進んでいるとは言えません。多数のコアを持つプロセッサに対する最適化が進めば、64コアのCPUもパフォーマンスを発揮できるようになる可能性があります。


Ryzen Mobile 4000シリーズではGPUにNaviアーキテクチャではなく、採用実績が数多くあり十分に最適化されているVegaアーキテクチャを最初から採用する計画でしたが、今後リリースするAPUにはNaviを搭載する計画もあるそうです。AWS独自設計の次世代ARMプロセッサ「Graviton 2」が発表されるなど、パフォーマンス向上が著しいARMとの連携はあるかという質問については、「サーバー市場においてはx86に注力するのが正しい」と回答しています。

競合となるIntelやNvidiaについても言及しています。Intelが依然として強い法人向け領域やエコシステムを築くのに膨大な投資を行ってきたモバイル領域においても、AMDのプロセッサが搭載される事例が多くあり、Ryzen Mobile 4000シリーズもAMDがそれらの領域に進出する手助けになるとのこと。Intelが試作品として発表した折りたたみ画面のノートPCについても言及し、Microsoftと密接に関わりながらそうした新しい領域も訴求していくとスー氏は答えています。NvidiaのGPUに搭載されている「リアルタイムレイトレーシング」については研究開発を進めているところであり、2020年にかけてAMDがリリース予定のdGPUにはレイトレーシングが搭載され、Navi世代のハイエンド向けGPUもリリースが予定されています。

7nm製造ラインを保有するTSMCとのパートナー関係についても非常に良好な関係を築けていますが、シリコンウエハーの供給が厳しいので、正確な需要予測が必要だとスー氏は答えています。

半導体製造大手のTSMCのシリコンウエハーに汚染問題発生、NVIDIAやHuaweiなどに影響が出る可能性 - GIGAZINE


現在、Amazon.co.jpのデスクトップCPUの売れ筋ランキングにはAMD製のCPUが多数ランクインしていますが、ノートPCでも同じようにAMD製のプロセッサを搭載したモデルが増えていくとのこと。Ryzen Mobile 4000シリーズが2020年にどうなっていくか非常に楽しみにしているとスー氏は話しています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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