ハードウェア

AMDが競合製品の半額以下で12コア/24スレッドの第3世代Ryzenプロセッサ「AMD Ryzen 9 3900X」などを発表


2019年5月28日(火)から台湾の台北市で開催される「COMPUTEX TAIPEI 2019」の直前基調講演が5月27日(月)に開催されました。その中でチップメーカーのAMDが、次世代CPUアーキテクチャ「Zen 2」を採用したデスクトップPC向けプロセッサ「AMD Ryzen」の第3世代を7月から市場へ提供すると発表しました。

AMD Announces Next-Generation Leadership Products at Computex 2019 Keynote | AMD
https://www.amd.com/en/press-releases/2019-05-26-amd-announces-next-generation-leadership-products-computex-2019-keynote

AMDの直前基調講演の全容を収めたムービーは以下。

AMD CEO Lisa Su’s COMPUTEX 2019 Keynote - YouTube


基調講演に登壇したAMDのリサ・スーCEOによると、第3世代のAMD Ryzenプロセッサは次世代CPUアーキテクチャとなるZen 2を採用したCPUコアであり、7nmプロセスで製造されていて、PCI Express 3.0から物理帯域が2倍になったPCI Express 4.0を初めてサポートするとのこと。また、CPUソケットはこれまでのRyzenシリーズと同じくAM4と互換を持っています。


また、第3世代Ryzenではキャッシュサイズが2倍になり、浮動小数点計算の速度が2倍になることで、Ryzen 3000から最大15%のIPC増加が期待できるとのこと。


第3世代AMD Ryzenプロセッサとして登場するAMD Ryzen 7 3700Xは、ベース周波数3.6GHz・ブースト値4.4GHz・36MB L3キャッシュの8コア・16スレッドのCPUです。


CPUベンチマークソフトのCinebench R20を使ってAMD Ryzen 7 3700XとAMD Ryzen 7 2700Xとを比較すると、AMD Ryzen 7 3700Xはシングルスレッドパフォーマンスでは15%、マルチコアで18%もAMD Ryzen 7 2700Xの性能を上回っています。また、AMD Ryzen 7 2700Xの熱設計電力(TDP)が105Wなのに対して、AMD Ryzen 7 3700XのTDPは65Wということで、電力効率の良さもアピールされていました。AMD Ryzen 7 3700Xの希望小売価格は329ドル(約3万6000円)です。


AMD Ryzen 7 3700Xの上位モデルとなるAMD Ryzen 7 3800Xは、ベース周波数3.9GHz・ブースト値4.5GHz・36MB L3キャッシュで、8コア・16スレッドのCPUです。


TDPは105Wで、より高いクロックに対応するとのこと。Cinebench R20によるベンチマークスコアを比較すると、AMD Ryzen 7 3800Xはシングルコアで3%、マルチコアパフォーマンスで37%もIntel Core i7-9700Kを上回ります。希望小売価格は399ドル(約4万4000円)です。


そして、「AMD Ryzen 9 3900X」は第3世代Ryzenの中でも主力となるプロセッサ。Ryzen 9 3900Xはベース周波数3.8GHz・ブースト値4.6GHz・70MB L3キャッシュで、12コア・24スレッドでTDP105WのCPUです。


同じ12コアCPUであるIntel Core i9-9920X(TDP165W)とBlenderベンチマークを行ったところ、Core i9-9920Xはレンダリングに38秒かかっていたのに対して、Ryzen 9 3900Xは32秒と、およそ18%も高速です。


また、Cinebench R20による比較では、Ryzen 9 3900XはCore i9-9920Xに比べてシングルスレッドパフォーマンスで14%、マルチスレッドパフォーマンスで6%も高性能です。


そして、何よりAMD Ryzen 9 3900Xが会場に衝撃を与えたのは、499ドル(約5万5000円)という希望小売価格。比較対象のCore i9-9920Xがおよそ14万円~15万円ということを考えると、価格破壊ともいえるほどの安さです。


他にも、ベース周波数3.8GHz・ブースト値4.4GHz・35MBキャッシュ・6コア12スレッドのRyzen 5 3600 Xは希望小売価格249ドル(約2万8000円)、ベース周波数3.6GHz・ブースト値4.2GHz・35MBキャッシュ・6コア12スレッドのRyzen 5 3600は希望小売価格199ドル(約2万2000円)とのこと。第3世代Ryzenシリーズはいずれも2019年7月7日に発売予定だそうです。


また、スーCEOは新GPUアーキテクチャ「RDNA」を発表。従来のPolaris世代やVega世代に比べると1クロックあたり最大1.25倍、1Wあたり1.5倍のパフォーマンスを提供できるとのこと。なお、RDNAは「Radeon DNA」の略だそうです。また、RDNAを採用した「NAVI」ことRadeon RX 5700シリーズはGDDR6メモリを搭載し、PCI Express 4.0をサポートするとのこと。


Ryzen 7 3800X・Radeon RX 5700の組み合わせは、Intel Core i9-9900K・NVIDIA RTX 2080 Tiの組み合わせよりもパフォーマンスが68%と大幅に向上したことが示されました。Radeon RX 5700についてのより詳しい情報は、6月中旬にアメリカ・ロサンゼルスで行われる世界最大のゲーム見本市「E3 2019」にあわせて発表される予定です。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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