「東京オリンピックは延期が決まった」と国際オリンピック委員会のメンバーが発言

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で開催が危ぶまれていた東京2020オリンピックについて、オリンピックの主催団体である国際オリンピック委員会(IOC)の古参メンバーであるディック・パウンド氏が「延期が決まった」と発言しました。

Olympics 2020 postponed: IOC member says coronavirus forces change
https://www.usatoday.com/story/sports/olympics/2020/03/23/olympics-2020-ioc-member-tokyo-games-postponed-dick-pound-coronavirus/2899848001/

IOCの古参メンバーであるディック・パウンド氏が、アメリカメディア・USA TODAYの独占インタビューに答え、その中で新型コロナウイルス感染症の影響で東京オリンピックは延期されることとなると語りました。インタビューが行われたのは現地時間で2020年3月23日(月)の午後で、IOC委員が東京オリンピックの延期が決定したと語ったのはこのインタビューが初です。

USA TODAYの電話インタビューに答えたパウンド氏は、「IOCの情報に基づき、(オリンピックの開催は)延期されることが決定しました。今後のパラメーターは決定されていませんが、オリンピックが7月24日(東京2020オリンピックの開会予定日)から開始されることはありません」と語り、延期が決まったことを伝えています。

USA TODAYは「カナダ人のパウンド氏は過去数十年間で最も影響力を持ったIOC委員のひとり」と、パウンド氏を紹介しています。パウンド氏のコメントによると、東京オリンピックは2021年まで延期される可能性が高く、その詳細は今後4週間で決められることとなるそうです。なお、パウンド氏は「IOCが次のステップについてすぐに発表できることを期待している」と述べています。

パウンド氏はオリンピックの延期について、「我々はオリンピックを延期し、それにより生じるすべての影響に対処し始めます。これは計り知れません」と語り、延期の影響は未知数ながらも甚大なものになると示唆しています。

USA TODAYがパウンド氏のコメントについてIOCに確認を取ったところ、IOCの広報担当であるマーク・アダムス氏は「発表されたIOC理事会の決定について説明することは、すべてのIOC委員に与えられた権利です」と語り、IOCが東京オリンピックを延期するという決断を下したことを認めています。

なお、IOCのトーマス・バッハ会長は2020年3月22日(日)にアスリートに向けた書簡の中で「東京オリンピックの開催時期を最終判断するのは時期尚早だ」とコメントしていました。この書簡の中で、バッハ会長は東京オリンピックの開催を中止するという方針は除外したと明かしており、3月23日(月)に安倍総理大臣の口からも同様の説明がされていました。