メモ

プラスチックごみを道路の舗装に再利用することで廃棄物を減らし二酸化炭素排出量を節約する取り組み


世界中で大量に使用されているものの、完全にリサイクルすることは難しいため、環境汚染に一役買ってしまっているのがプラスチックです。プラスチックごみを減らすための施策として、日本でも複数の企業がプラスチックストローの使用を止めていますが、新たに「プラスチックごみをアスファルトに混ぜる」という方法を用いて道路の舗装を行う企業が登場しています。

Company that recycles plastics for roads eyes Tri-City plant | Tri-City Herald
https://www.tri-cityherald.com/news/local/article240965561.html

Can plastic roads curb waste epidemic? - CNN
https://edition.cnn.com/2018/07/02/world/macrebur-plastic-roads/index.html

スコットランドの「MacRebur」は、プラスチックごみをアスファルトと一緒に使用することで、廃棄物を減らしながらアスファルトの舗装をより強化することを目指す企業です。同社の技術を用いて10トンのプラスチックごみを使用すると、8571枚分の使い捨てビニール袋をリサイクルし、91.8kg分の二酸化炭素排出量を節約することが可能になるとのこと。

MacReburはアメリカで事業規模の拡大を目指しており、各州に2万平方フィート(約1900平方メートル)の敷地面積の工場を建てることを検討しています。各工場では少なくとも8~12人の従業員が雇用されることとなり、業績によっては雇用数がさらに増加する可能性もあるとのこと。記事作成時点では、アメリカ・ワシントン州のトリ=シティーズにMacReburの工場を建設する可能性が挙げられています。

MacRebur | The Plastic Road Company


MacReburはトビー・マッカートニーさんがCEOを務める会社で、細断されたプラスチックをアスファルトと結合する物質の一部に置き換えることが可能な「小さなチップ」に変えるという特殊なプロセスを開発し、これを用いてプラスチックごみから強化アスファルトを作り出し、道路の舗装などを行っています。マッカートニーさんは「オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ全土、トルコ、南アフリカ、カナダなどの至るところで道路の舗装を請け負っています」「現地のプラスチックごみを用い、現地の道路を作りたいと考えています」と語り、世界中にMacReburが舗装した「プラスチックごみを使った道路」が存在することをアピールしています。

記事作成時点でMacReburはサンディエゴにアメリカ初の工場を開設しているだけでなく、同社の製品をワシントン州の運輸省が承認する製品のリストに加えるための活動も行っているそうです。そのため、近い将来にMacRebur製のアスファルトを使った道路がワシントン州のどこかに完成する可能性もあります。


ただし、運輸省は同部門が扱う1300種類の認定製品の中にMacReburのアスファルトを追加するには「時間とテストが必要である」とコメントしており、MacReburも「承認を早くすることはできませんし、そうすべきでもありません。運輸省は材料が安全に運用できることを確認する責任を負っている機関なので」と控えめに語っています。

MacReburが使う細断されたプラスチックごみはこんな感じ。


細断したプラスチックごみから作られた、アスファルトに混ぜて使用することでその強度を高める「小さなチップ」がコレ。アスファルトに使用されるビチューメンの20%程度がこの小さなチップに置き換えられることになるとのこと。なお、マッカートニーさんによるとプラスチックごみから作り出される小さなチップのデザインは約500~600種類ほど試した末に完成したそうです。


なお、記事作成時点では市道や州道でプラスチックを混ぜ込むMacRebur製のアスファルトを使う許可は下りていませんが、駐車場や私道、その他の土地の舗装では問題なく同社の「プラスチックごみを使ったアスファルト」が使用できます。また、プラスチックの細片が混ぜ込まれたアスファルトからマイクロプラスチックなどが流れ出すことはなく、有害物質を放出することもないそうです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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